中国市場、外国企業と開放の成果を分かち合う

中国では年間の実質外資導入額が1160億米ドル(約9兆387億円)にまで増加し、年平均成長率は9.2%、中国に拠点を置く外国企業は34万8000社に及んでいる。グローバル企業の中国での投資が増大しており、ベンチャー企業が中国でのチャンスを狙っている。市場センターから研究開発センターに、熟練労働力から核心の開発者に。世界に向けて開いた扉、幅広い市場への参入、中国は在中国の外資に大量の市場・職場・人材を提供している。2002~2011年の10年間、中国は外資企業と成果を分かち合い、双方が繁栄を共有してきた。

中国市場は外国企業成長のエンジン

「中国における1つの都市が他国では1つの国に相当するほどの大きさがある」。中国に関して、マイクロソフト大中華区会長兼CEOに就任したばかりのラルフ・ホーター氏は、「これは世界を驚愕させるほどのチャンスだ」と言う。

この大市場の消費材小売総額は2001年の3兆8000億元(約47兆1100億円)弱から2011年には18兆元(約223兆1600億円)を超えるまでに増え、さらに成長を続けている。現在、訪中投資する国家と地域はすでに190を超え、在中国で投資する企業は世界500強のうち480社を超えた。

ウォルマート・ストアーズ(アメリカの小売り大手)中国公司事務高級総監の李玲氏は、「過去数年、わが社は中国で常に年間二桁の新規開店数という着実な成長を保っている。中国市場の売上高は他の国際業務の総売上の10%近くを占めている」と語る。

上海米国商会の調査では、2011年は在中国の米国資本による企業の78%が利益を上げることに成功し、在中国米国企業の3分の2が営業収入の伸び率が親会社(米国内と世界全体)の成長率を上回った。

中国はすでに外資に向け、100以上に及ぶサービス貿易部門とほとんど全ての製造業部門を開放した。中央および国務院所属の各部と各委員会の上層部も、外資が中国において設立した企業は中国企業であり、差別なく扱うということを幾度となく強調している。

在中国投資の相対的規模は絶えず拡大しており、プロジェクトの規模もますます大きくなっている。「10年前、1千万米ドル(約7億7920万円)を上回るプロジェクトはすごいものだったが、現在では1億米ドル(約77億9200万円)を超えるものから数10億米ドル(約779億2000万円))のプロジェクトも珍しくなくなった。韓国サムスン電子のフラッシュメモリチップのプロジェクトは西安を拠点としており、一期の投資額だけで70億米ドル(約5454億4000万円)だ」と商務部研究院の王志楽研究員は言う。

中国は外国企業の「第2の家」

「中国で、中国のために」から「中国で、中国のために、世界のために」に――2011年、ヒューレット・パッカード社は在中国の戦略をこのように変更した。

マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデントで、同社のアジア太平洋研究開発グループの張亜勤総裁は、「中国はマイクロソフトにとって単なる市場であるだけでなく、研究開発と人材の中心であり、戦略の中心で、2つ目の家、2つ目の本部だ」と言う。

上海では、サンドビック(スウェーデンの工作機械大手)が世界最大の鉱山重機組み立てセンターを設立した。天津では、建設投資額10億元(約123億9800万円)のアルストム社(フランスの重電・輸送機器大手)の新水力発電設備生産基地の一期工事がすでに始まった。

中国欧盟商会(在中国EU商工会議所)の調査によると、アンケートに回答した外資企業の38%がすでに中国にグローバル・ビジネス・ユニット(GBU)の本部を設立したということだ。

「中国に現在ある大型の外資研究開発類のプロジェクト及び研究開発センターは、ほとんどがここ10年で急激に成長したものだ」と王志楽氏は言う。2011年までに、外資が中国に設立した研究開発センターはすでに1600社あまりに達した。

中国は外資企業の新たなビジネスチャンス

10年の高度成長を経た中国経済は、「構造調整、方式変換」のモデルチェンジに直面しており、外資を利用するのもそのためだ。

モデルチェンジは生みの苦しみを経なければならない。今年1~7月、中国の実質外資導入額は前年同期比で3.64%下降し、一時期各界の不安を呼んだ。

しかし、数字の下降は活力にあふれた新しい動向を反映しているものだ。中国には「資金導入」だけではなく、「資本の選択」も必要なのだ。

「外資がハイエンド製造業、ハイテク産業、現代サービス業、新エネルギーと省エネ・環境保護産業への投資奨励」。これは2010年の『外資利用をいっそう適切に行うことに関する国務院の若干の意見』がモデルチェンジの路線としてはっきりと打ち出したものだ。

ハイテク産業は外資を利用して着実に成長。資本導入金額は2002年の79億3000万米ドル(約6179億600万円)から2011年には108億9000万米ドル(約8485億4900万円)に増加した。サービス業は資本導入の重要な分野になっており、2011年の中国サービス業における外資利用の占める割合が初めて製造業を上回り、中国はすでに世界で2番目に大きなサービス受注市場へと躍進した。中西部は投資対象としてさらに多くの視線を集めており、外資利用の全国に占める割合が2002年の3.8%から2011年には10%に上昇した。

2011年の中国米国商会の調査によると、回答したアメリカ企業の78%が、中国を世界の三大投資対象国の1つとしていることが明らかになった。中国欧盟商会の調査でも、2012年、欧州連合(EU)の4分の3の企業が中国を世界3位までの投資対象国と見なし、回答した企業の63%は中国に新たな投資を行う計画があることが分かった。