女児紅「桂花林蔵」が日本初上陸、東京でお披露目会


キンモクセイの香りと年月を重ねた琥珀色。10月17日、古越龍山東京事務所及び紹興酒ジャパン株式会社の共催により、女児紅の18年物「桂花林蔵」の日本でのお披露目会を兼ねた2023女児紅国際クラウドセミナーが、東京・赤坂のトゥーランドット臥龍居で開催され、中日の文化界、経済界、飲食流通業界からおよそ40名の来賓が訪れ、紹興酒の文化の盛典を祝した。

1919年に設立された紹興女児紅醸酒有限公司は長い歴史を誇り、匠の精神によって生み出された優れた醸造工程を有する、中国の由緒あるブランドである。発表会で参列者を驚かせたのは、日本向けに初めて出荷された女児紅の18年物の桂花林蔵(典雅)である。桂花林蔵は女児紅文化を象徴する製品であり、最高級黄酒の代表的製品である。色は琥珀色で、透明で光沢があり、馥郁とした香りと芳醇な味わいが特長である。

中国駐日本大使館文化部の陳諍公使参事官が挨拶し、古越龍山東京事務所の夏良根所長が紹興酒を世界に広め、中国を正しく知らしめるために、中国の地方の特色を紹介し、中国の名酒文化の発信に努めていることを高く評価した。

日本の著名なワイン専門家で、日本ソムリエ協会名誉ソムリエ等、多くの名誉職を有する田辺由美氏が挨拶し、40年近くに渡って、ワインの知識と文化の普及に取り組んできた自身の経歴を振り返り、自らの経験を踏まえて夏良根所長にエールを送るとともに、発表会に参列した来賓が、夏良根所長の応援団となって、共に古越龍山の日本における普及・発展に取り組んでいただきたいと呼び掛けた。

歌にも歌われているように、女児紅は18年物の紹興酒で、古くから女児が生まれると成人するまで熟成させる習わしがあり、成人した娘に対する父親の熱い思いが込められている。在日中国人作家で評論家の莫邦富氏は、女児紅にまつわる娘とのエピソードを紹介し、かつては東京中を探し回っても手に入れることができなかったが、このたび幸運にも日本向けに初出荷された女児紅を口にすることができ、日本で紹興酒文化を広める決意をより一層強くしたと語った。

特色に富む女児紅のボトルは、2022年7月、中国酒業協会から、最も美しいボトルに贈られるデザイン優秀賞を受賞している。メインビジュアルは、古来、女性が成人して嫁ぐ際の必需品とされた「団扇(うちわ)」をモチーフとしている。うちわには円満の意味がある。ボトル全体に施された金色のぼかし染は、キンモクセイの林をイメージしている。日本のゲストは、クラシカルでエレガントなデザインに舌を巻き、繰り返しボトルを手に取り眺めていた。

日本中国料理協会の会長を務める、トゥーランドット臥龍居のオーナーシェフである脇屋友詞氏は、伝統的な上海料理をベースにした創作中華料理を得意とする。脇屋氏は、女児紅に合う料理として黒豉蒸鰆魚、冬瓜東坡肉等の料理を振舞った。世界で最も権威のあるコンペティションの一つとして知られるインターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(IWSC)でワイン、日本酒両部門の審査員を務める、日本のトップソムリエである伊藤寿彦氏の妙趣に満ちた解説とともに、参加者はお酒と料理の最高のハーモニーを堪能した。美食と美酒が互いを引き立て合い、言葉では言い表すことのできない素晴らしい体験であった。

そして、在日楊琴奏者である郭敏氏が奏でる抑揚のある快い音色が、ゲストを水郷・紹興へと誘った。水の音、雨の音、櫓が船を漕ぐ音……それらに思いを巡らせ、うっとりと酔いしれた。

外務大臣表彰を受賞した在日の著名な華人学者である王敏教授は、紹興は「中国の黄酒の都、世界的な美酒の産地」であるとともに、周恩来総理の故郷でもあると語り、紹興の女児紅が「中日友好、中日不戦」の酒となり、周総理の中日友好の願いが世代から世代へと受け継がれることを願っていると語った。


新境地を開く発表会、中国文化の魅力を伝える盛宴は、ゲストの心を強く結びつけた。最後に、美酒を賭けての抽選会が行われ、盛宴に花を添えた。女児紅ブランドの「喜」「蔵」「情」の3つの文化的遺伝子は、こうして脈々と受け継がれ、人びとの心に深く根を下ろす。