国産スマホ市場の回復に 希望をもたらすハイエンド化

中国情報通信研究院の最新データによると、今年上半期の中国国内市場の携帯電話総出荷台数は前年同期比4.8%減の1億3000万台だった。うち国産ブランドの出荷台数は同8.8%減の1億500万台で、同期の携帯電話出荷台数の81.1%を占めた。

 

折りたたみスマホが

市場の主な競争の場

スマートフォン市場全体が低迷しているが、折りたたみスマホが近年、出荷台数が持続的に増加するジャンルになっている上、成長率も安定している。市場調査会社カウンターポイントのデータによると、中国の第1四半期の折りたたみ製品出荷台数は同52.8%増の102万台だった。これは国産携帯電話市場の全面的な回復に希望をもたらした。

ハイエンドへのトランスフォーメーションの実現は、中国メーカーのバージョンアップ、さらには生死に関わる問題だ。小米(シャオミ)科技有限責任公司の創業者である雷軍氏は最新の年間講演の中で、「ハイエンド化は当社の避けては通れない道、さらには生死を分ける戦いだ」と述べた。

賽迪研究院電子情報研究所デジタル新インフラ研究室の張甜甜主任は、「現在は画面、ストレージ、撮影、スーパー高速充電、ゲームなどの細分化された特徴の面で、中国のスマホ業界から注目点が続出している」と述べた。

中国の各大手スマホメーカーの力強い推進により、折りたたみスマホはハイエンド市場の主な競争の場となり、メーカーが差別化の優位性を求め、市場拡大のチャンスを掴むための重要な戦略的選択肢になっている。

張氏は、「折りたたみスマホが携帯電話市場で目立っているのは、イノベーション及び関連技術の発展によるものだ。例えばスマホの薄型化、折りたたみ跡の問題の最適化、ヒンジ技術の進歩、携帯電話のソフトウェア及びコンテンツと折りたたみ画面のマッチングの最適化などだ。これらは折りたたみスマホの実用性を大幅に高め、消費者の体験を改善した」と述べた。

折りたたみスマホの発展は

引き続き課題に直面

中国のハイエンドスマホ市場はすでに世界で最も活気あふれる多元的な市場に成長したが、「先端技術のイノベーションが必要」が各大手スマホメーカーの共通認識になっている。

携帯電話の構造設計は従来から局部が全体に影響を及ぼすものだ。薄型化の後には、いかに限られた空間内に大容量バッテリーを搭載するかが、各携帯電話メーカーが直面する次の課題になっている。

中国のスマホブランド「栄耀」は「Magic V2」を発表した際に、「青海湖バッテリー技術」という画期的な技術を搭載した。この技術を利用すると、薄型の折りたたみフラグシップモデルは容量が5000mAhにも達し、厚さが平均でわずか2.72mmのバッテリーを搭載できる。

シャオミが8月14日に発表した折りたたみ新型機「MIX Fold 3」も、軽量・薄型・折りたたみと全能フラグシップモデルの特徴の間でバランスを巧みにとっている。

しかし、折りたたみスマホの発展は引き続き課題に直面している。ユーザーが関心を寄せている画面の折りたたみ跡、表示の故障、割れなどの問題は依然として大手メーカーが解決すべき難題だ。

折りたたみスマホの画面材料やヒンジ技術には改善も見られるが、引き続きイノベーションの苦境を突破し、さらに磨きをかける必要がある。

栄耀の趙明CEOは今年のMWC上海の開催期間中、「新たなイノベーションサイクルは現在の業界の経済サイクルの飛躍を牽引する」と繰り返し強調した。

趙氏は、「スマホの次のイノベーションサイクルが間もなく訪れようとしており、人工知能(AI)が重要なチャンスポイントになる。AIが完全にスマホの『再定義』をするにはまだ時間がかかるが、シャオミや栄耀などのトップメーカーはすでにAIによりスマホの消費体験を改善するとともに、新たな技術の高度化を始めている」との見方を示す。