中国の不動産市場、調整の効果が出始める
下半期、人気の都市住宅価格が事実上下落

7月、33都市の住宅価格が下落

中国の不動産指数システムの「100都市価格指数」に基づくサンプル調査のデータによると、全国100都市の住宅価格は、2011年7月、1平方メートル当たり8874元で、そのうち33都市は価格が下落した。

7月に住宅価格が下がった都市は、6月と比べると8都市多く、100都市の価格全体を見ると、値上がり幅はある程度鈍化した(6月比値上がり幅は0.41%)。

北京不動産業協会がこのほど発表した7月の北京市不動産市場の運営状況によると、北京の7か月前の新築一般住宅の売買成立平均価格は、1平方メートル当たり1万3623元で、昨年全体比で8.2%下落。統計によると、数か月にわたるマクロコントロールを経て、北京市の98.8%の新築住宅で価格の上昇が止まり、初めて住宅を購入する人が購入者総数の9割を占めた。

不動産アナリストの謝逸楓氏によると、マクロコントロールの重圧のもとで、住宅価格の値上がり傾向が転化した。7月の不動産価格の下がり幅は6月に比べると大きく、特に都市部の下がり幅が顕著で、上がり幅は減少している。国務院の説明では、不動産の抑制策は日増しに効果を表しており、価格上昇の勢いは抑えられている。下半期も間違いなくコントロールが続くはずであり、何も変化がなければ、必ず8月に購入制限のリストが出され、「金9銀10」と言う言葉があるほど中国では9月、10月が不動産販売のピークだが、価格の上昇は抑えられることになる。

土地市場に寒波

不動産市場の調整が進むにつれ、これまで好調だった土地市場は「寒波」に見舞われている。2009年に相次いで「土地王」が現れたこととは対象的に、今年の前半7カ月間には、土地の入札不成立や競売が流れるなどの事態が市場の中心的なテーマとなった。

「鏈家不動産」の市場研究部が近ごろ発表した統計データによれば、2011年1月から7月までの間、土地の入札不成立数は全国で353件に達し、昨年同期比で242%に増え、住宅を含む土地の競売が流れた数は163件で、同比46%増えている。

ある業界関係者の分析によると、土地の入札不成立の流れは全国的に明らかで、中でも「購入制限」のある都市部で顕著だ。マクロ抑制策後の地価の反落(訳者注;今まで上がり続けていた相場が値下がりに転じること)は、不動産業者の土地購入意欲の低下が、土地市場冷え込みの主要な原因である。

市場研究部の統計では、2011年の全国平均の楼面価格(訳者注;建物の建築面積1平方メートルあたりの地価)は1680元で、前年比19.8%の低下で、住宅を含む土地では9.8%下がっている。

不動産企業は持ち堪えるのに極限状態

昨年当初から現在まで、絶えず不動産調整は強められており、多くの不動産企業は今日に至るまですでに一年半以上持ち堪えてきた。「ほとんどの企業が、既に極限状態にあり、ここを超える時が転機だ」と、住宅引き渡し期限を過ぎた上海のある責任者は率直に語った。

中央銀行が発表した「2011年上半期金融機関融資方向統計報告」によると、上半期の不動産開発融資は新たに2098億元増えたが、前年同期比では2325億元微増、同期比53%と激減した。そして、企業自ら調達する資金は1兆6463億元で、同期比32.7%増加した。問題は、不動産信託などに対する資金調達ルートが日を追って引き締められていることから、下半期の不動産企業の自己資金調達の見通しが暗いことである。

中国房地産信息集団(中房信)のアナリストである薛建雄氏は、「一、二線都市(訳者注:消費人口の多い北京、上海などの大都市および地方の中核都市)では、販売価格が高いゆえに契約量は減っている。不動産業者は大型の新築住宅を販売するに当たり、価格を下げることで切り抜けようとするが、内在する市場の転換点が突然に爆発するかもしれない」と分析している。

調整継続は、切迫したシグナルからはっきり読みとることができる

銀行が近ごろ発表した不動産の調査研究報告は次のことを明らかにしている。石家荘や成都などの六つの二、三線都市の30の中小規模の不動産業者のうち22の業者は、気が張り詰めているかあるいは憂慮している。

アメリカ関連不動産業者が、今年8月9日に発表した報告が明らかにしているのは、次のようなことだ。この一週間(8月1日~7日)は、商談がまとまった量が急騰した後で反落、北京、上海、広州、深?の四大一級都市の新しい住宅の成約量は軒並み下落した。その中でも北京の下落幅が最も大きく、その下落幅は50%に近かった。成都を除く二級都市の杭州と重慶の新住宅成約量も10~20%の下げ幅だった。そのほか中国の中央地域の不動産モニタリングのデータによると、7月全体の8つの重点都市の新しい住宅の成約面積比はほぼ5%と増え、十大模範不動産企業の売上面積は同比11%下落した。

先週、国家発展改革委員会は再度、不動産調整政策はぶれずに堅持し、住宅価格の速すぎる上昇は抑え込まなければならないと強調した。さまざまな兆しから見ると、下半期の政策の方向はすでに事件を招来するという厳しい方向に向かっている。専門家は次のように予測する。「不動産調整政策のシグナルは既にはっきりしていて、引き続き緊張を継続。下半期のうちに、人気のある一部の都市の住宅の価格が比較的大きい範囲で実質的に下落するだろう。しかも、それは市場を揺るがすような非常に大きなものである」。