「フレーバー・ネクストバトル」~日本を知り中国から学ぶ~
中日調味料業界セミナーが東京で盛大に開催

中日の調味料業界の交流とビジネス往来が盛んになるにつれ、多くの新たな協力機会が生まれており、両国の企業はさらなる対話と相互理解を渇望している。そうした好機を掴むべく、9月22日、中国調味料専門のメディアプラットフォーム「調料家」及び中国調味料業界公益互助学習組織「味来学社」が共催し、食安礼記株式会社が協賛した「フレーバー・ネクストバトル」~日本を知り中国から学ぶ~中日調味料業界セミナーが、東京・品川の東京プリンスホテルの宴会場で盛大に開催され、中日の業界関係者が共に、交流・学習のプラットフォームを構築した。

セミナーには、業界の関係者及び専門家が参集した。当イベントの発起人である、中国調味料業界メディアプラットフォーム「調料家」の創始者で、味来学社の共同発起人である楊姣平氏が進行役を務め、イベントの協賛者、中国調味料業界の重鎮である食安礼記株式会社の杜鶴戎氏、日本の調味料業界の幹部、三菱商事生命科学株式会社全球業務服務G経理の前田一樹氏、味の素株式会社執行役員、上海味之素食品研究開発中心有限公司董事長を歴任した、コカ・コーラ東京研究開発センターの久塚智明董事、河南農業大学の李苗雲教授、中国調味料業界市場研究専門家で上海至匯戦略機構首席顧問を務める、上海戦戟マーケティングコンサル有限公司の張戟総経理を来賓として迎え、中国の経営者及び学者で組織された訪日研修団と共にイベントを盛り立てた。

はじめに、杜鶴戎氏が「日本を知り、中国から学ぶ」をテーマにスピーチを行った。氏は中日両国を経済、消費、人口構造の側面から考察し、これらの変遷が調味料・食品産業に及ぼす広範かつ多大な影響について分析した。氏は日本の著名なマーケティング・アナリストである三浦展氏の著書『第四の消費』を引用し、今後、中国の一線、二線都市の消費者においては、複合化、細分化が進み、よりコストパフォーマンスの高い製品を追求するようになるだろうと強調した。そして、食安礼記株式会社の今後の経営戦略について述べ、「製品のローカライゼーション」の重要性を強調し、市場のニーズに応えるには、さまざまな販売チャネルを模索し、経営資源を総合的に活用することが肝要であると、業界の明確な青写真を示した。

久塚智明氏は豊富な経験と独自の視点から、日本の調味料メーカーの現状を体系的に分析し、加工技術の最前線について語った。氏は味の素で働いた貴重な経験や稲盛和夫氏との交流などを踏まえ、特に、研鑽を怠らず思索を深めていくことが大事であると強調した。さらに実例を挙げて、食品と調味料の開発・研究及び製品開発における味と香りの重要性について考察し、伝統的製造技術の向上においては科学的アプローチが不可欠であると語った。久塚氏はさらに、意思決定を下す際には、その動機に考えを巡らせることが大事だとし、中日間の業界交流の更なる進展に期待を寄せた。

張戟氏は、中国の調味料市場を洞察し、「中国の調味料市場の現状」と今後の見通しについて分析を行った。氏は経済学者のセオドア・レビットの視点から、消費者のニーズに応えることが肝要であると強調し、製品及び市場開発の核心を明示した。また、醤油業界の発展を例に、如何にして消費者のニーズに応え、製品の分類を正確に把握し最適化することで市場を拡大してきたかを解説した。張戟氏は、調味料業界は、市場の発展と消費者の思考の変化を捉えることで、消費者の志向に応えることができたのだと指摘した。そして、調味料メーカーは伝統を重視するため、製品の物理的属性や製造技術における企業理念は固定化され、ユーザーエクスペリエンスが軽視される傾向にあると述べた。スピーチの主旨は、市場と消費者のニーズを満たすことによって繁栄の基盤は築かれるというものであった。

前田一樹氏は、「化学調味料の進化と中日の異なる応用」について考察し、深い専門知識と豊富な実務経験をもとに、化学調味料と食品添加物が食品産業に及ぼす革命的影響を包括的に論じ、日本の調味料製品の製造技術の向上を展望した。また、個人的な中国との深い繋がりや中国市場に対する理解を述べ、三菱商事は中国との協力を非常に重要視していると語った。前田氏はさらに、同社の製品及び技術を紹介するとともに、それらの食品加工分野における用途及び利点を詳細に説明し、食品の品質と風味を改善することの重要性について見解を述べ、われわれの協力が両国の食品産業に更なる発展をもたらすことは間違いないと語った。

中国の調味料メーカーの経営者や学者から成る研修団は、1週間の研修期間中、キューピーや味の素など日本の調味料業界をリードする企業を訪問し、日本の調味料メーカーの先進的な製造管理、旺盛な探求心、成熟したサプライチェーンを直接目にし、日本の調味料業界に対する理解を深めた。

中国と日本は一衣帯水の隣国であり、似通った食文化・習慣をもつ。いまや中国は、世界で最も影響力と潜在力を秘めた市場のひとつであり、多くの日本の調味料メーカーが、中国を重要な市場として位置付けている。この度の研修団の来日は、両国のビジネス交流を促進し、お互いの市場の現状を理解し、市場の開拓を先導するものとなった。当イベントを契機に、両国の業界交流の基盤と友好関係が継承されゆくことを期待したい。

セミナー後に行われた立食パーティーには、訪日研修団のほかに、大塚食品、RAISE ALL株式会社、北辰食品、ヒガシマル醬油、株式会社エムエスエフ、宝光堂、食研株式会社、日東富士製粉、株式会社戸田酒店、スカイウィング株式会社、養命酒製造株式会社の代表が出席した。

乾杯の挨拶に立った杜鶴戎氏は、食安礼記株式会社は、調味料業界の地理的・文化的境界を打破し、中日両国の業界の精鋭が情報を共有し、学び合い、交流を深め、共に向上していけるよう力を尽くして参りたいと決意を述べ、当セミナーは単なる学術交流ではなく、文化のぶつかり合いであり、精神の対話であり、さらには、両国の業界の緊密な協力の表れであり、今後の協力強化に対する願望と期待の表れであると語った。この全く新しいコミュニケーションモデルは、中日両国が今後、共に調味料産業のグローバル発展を推進し、国際協力という新たな章を描くであろうことを示唆している。