中国人画家、里燕が米子へ 自らの絵で「中国を語る」

「自分の絵で、中国を語る」。 4月12日、鳥取県米子市の天満屋百貨店3階の美術画廊で、日本の著名な中国人女流画家、里燕氏による『現代水墨の巨匠 里燕展」のオープニングセレモニーが行われ、中国と日本から100名近い来賓が参加した。

 鳥取県米子市の伊木隆司市長は、「鳥取県は人口55万人の日本で最も人口の少ない県であり、米子市は鳥取県で最も人口の少ない市です。しかし、米子市民は中国が大好きで、米子市は中国と多くの交流があります。本日、米子市に中国の有名な女性画家、里燕さんの展覧会を迎え、米子市と中国の文化交流に新しい一章を加えることになりました。会場の外に入りきれない人が大勢いることからも、この展覧会の人気がうかがえます。本展の成功を祈念しています」とあいさつした。

日中友好会館中国代表理事の黄星原氏は、日本の元参議院議員である川上義博氏の大きな支援と協力により、米子市での里燕氏の展覧会を開催することができたとし、さらに川上氏は長年にわたり、日本政治の中枢で、また故郷選出の国会議員として、中日友好と中日文化・経済・政治交流を積極的に推進している、中国を知る日本政界の著名人であると紹介した。また、里燕氏は長年日本で中国画家として活躍し、中国と日本の水墨画の技術を融合させた独自の作風を生み出し、中日両国民に愛されるだけでなく、ヨーロッパ各国にも多くのファンを持っており、今回の展覧会を通じて、鳥取、特に米子の市民の皆様には、現代中国水墨画への理解を深めていただき、新たな中国人女性画家との出会いがあることを願っていると述べた。

里燕氏は、自身が日本で日本文化を吸収したことを紹介し、作品の多くは柔軟で浸透性のある日本の和紙を「支持体」(絵画の塗膜を支える面を構成する物質)として使用し、墨、色、水などの材料によって「有意無意識」の絵画の境地を表現し、常に自己を否定しながらも、常に新しい可能性を模索していると述べた。

日本中華總商会評議員会の辛赤亦副会長は、在日華僑の応援団を率いて空路で会場に駆けつけた。辛副会長は「地方で展覧会を開催する中国人画家を、在日華僑のグループが応援に来るのは初めてのことです。これは里燕画伯への応援というだけではなく、華僑華人と日本の地方の皆さんの交流を促進する良い機会でもあります」と記者に語った。

 今回の展覧会で、里燕氏は「山」「空間」「四季」をテーマにした30点余りの作品を発表した。 彼女はインタビューの中で、「日本という人間味あふれる環境の中で、私の作品を通して、日本の皆さんに中日両国の絵画芸術の交流の原点を感じていただくと同時に、中国の水墨画に対する知識と理解を深めていただくことができればと思っています。絵画は言語の一種でもあり、物語を伝えるものでもあります。私の水墨画で、中国の物語、中日文化交流の物語を伝えられれば、と思っています」と語った。

会場では多くの中国人や日本人の来場者が足を止め、絵画を鑑賞しているだけでなく、数百万円の絵画を購入する人もおり、この展覧会がまばゆいばかりの波しぶきを巻き起こしていることを感じさせた。