世界で「最も稼いだモバイルゲーム」
中国の海外向けゲームが多数占める

データ分析を提供するSensor Tower(センサータワー)がこのほど発表したデータによると、2022年11月の世界モバイルゲームパブリッシャー売上高トップ100に、中国企業が43社ランクインした。

ゲームの海外進出戦略が

一里塚的な成果を上げる

騰訊(テンセント)や朝夕光年(Nuverse)をはじめとする企業が海外市場で打ち出した新ゲームが非常に好調で、43社を合わせた売上高は前月比11.3%増の20億7000万ドル(約2744億8200万円)に達し、同月の世界トップ100の売上高の40.2%を占めた。

具体的に企業を見ると、22年11月における中国のApp Storeのモバイルゲーム売上高トップ3には騰訊の「王者栄耀」と「和平精英(Game of Peace)」、米哈遊(miHoYo)の「原神」が並んだ。世界のモバイルゲーム売上高ランキングには、「王者栄耀」、「原神」、騰訊の「PUBG Mobile(絶地求生)」(「和平精英」の売上高と合算)の順で並んだ。

センサータワーのデータでは、22年11月に「王者栄耀」は世界のApp StoreとGoogle Playでの売上高が2億ドル(約265億2000万円)を超え、前月に続いて世界のモバイルゲーム売上高ランキングの首位に立った。

内訳を見ると、中国のiOS(iPhone)市場での売上高が95.5%を占め、中国以外の市場での売上高は4.5%だった。11月の時点で、「王者栄耀」の22年売上高は累計25億6000万ドル(約3394億5600万円)に達した。

モバイル版「原神」は売上高1億7000万ドル(約225億4200万円)で2位、そのうち中国iOS市場での売上高が49%、日本市場での売上高が17.9%を占めた。特筆されるのは、11月2日に「原神」Ver.3.2アップデートが行なわれると、同日のモバイルゲーム通信量が22年の最多を更新したことだ。

この勢いに乗って、米哈遊モバイル事業の11月の売上高も前月比で47%増加し、世界モバイルゲームパブリッシャー売上高ランキングのトップ3に返り咲き、騰訊とアクティビジョン・ブリザードに次ぐ3位になった。

モバイルゲームランキングの3位は「PUBG Mobile」で、売上高は1億3000万ドル(約172億3800万円)だった。トップ5のうち、残る4位は騰訊の「勝利の女神: NIKKE(勝利女神:妮姫)」、5位は英キング社の「キャンディークラッシュサーガ(糖果伝奇)」だった。

つまり、22年11月に世界で最も売上高の多かったモバイルゲーム上位5位のうち、騰訊が4つを占め、米哈遊が新たな勢力として2位に食い込んだということだ。

また、モバイルゲーム上位5位の2大パブリッシャーは中国企業だが、これらのゲームはいずれも中国企業が海外で展開するゲームだった。騰訊にとっては、今回の結果はゲームの海外進出戦略が一里塚的な成果を上げたことを意味する。