中国商務部が最近発表したデータによると、2022年第1-3四半期(1-9月)には、中国の外資導入額が前年同期比で15.6%増加して、1兆元(約20兆3000億円)の大台を突破した。ハイテク産業の外資導入額の成長率が同32.3%増と特に目を引き、そのうちハイテク製造業は同48.6%増、ハイテクサービス業は同27.9%増だった。
ハイテク産業の外資導入
成長率が高いのはなぜか
北京極智嘉科技股份有限公司(Geek+)は2015年の設立以来、米国のウォーバーグ・ピンカスをはじめとする海外投資家からの投資を相次いで獲得し、米インテルキャピタルからも新たな資金調達への出資を獲得した。英紙「フィナンシャル・タイムズ」の報道によれば、投資家は投資先としてハイテクの細分化された分野での試行事業を探しており、こうした動きが同社の誘致力を高めたのだという。
同社の創業者でもある鄭勇最高経営責任者(CEO)は製品のコア競争力について、「中国には世界で最も豊富かつ複雑な消費シーンがあり、この優位性を基礎として開発されたスマートロボットシステムは海外の同類製品に比べて、より精度が高く、より性能が安定し、より運営効率が高い」と述べた。
中国国際貿易促進委員会研究院の趙萍副院長は、「市場から乖離したイノベーションには生命力がなく、研究開発-生産-販売-再投入の良好なサイクルを形成するのが難しい。中国は世界2位の消費市場として、その消費構造が絶えず最適化・高度化し、新たな業態と新たなシーンが絶えず登場し、ハイテク企業にニーズを牽引する強い力を提供し、こうした企業が広い応用の見通しがある先端技術を開発するよう促進してきた」と述べた。
多くの外国人投資家がバイオ医薬品、半導体、ヘルスケアなどの細分化されたハイテク分野にも目を向けている。
今年、デンマークの製薬企業のノボノルディスクが製造した新型糖尿病治療注射薬が中国で発売されたと同時に、欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)に供給販売を承認された。現在、中国では関連の新規投資プロジェクト7件が進行中だ。
今年に入ってから、ドイツの化学品・医薬品メーカーのメルクの先進的半導体一体化拠点が江蘇省張家港市で建設契約を締結し、韓国の光学フィルムの専門メーカーSangboのハイエンドディスプレー用光学薄膜プロジェクトが江蘇省の徐州ハイテク区での建設契約を締結し、アウディの中国初のバッテリー電気自動車(BEV)工場が吉林省長春市に建設され、BMWは自動車工場と研究開発拠点の展開により力を入れ、世界の精密ガラスのイノベーション分野のトップ企業である米コーニング社傘下の康寧顕示集団は上海市にグローバル本部を設立する契約を締結した。
科学技術の成果は
実体経済と結びつく
趙氏は、「科学技術の成果は実体経済と結びつかなければ、生産力と企業の競争力に転化させることはできない。産業の発展環境を見ると、中国には世界で産業の種類が最もそろい、産業の体系が最も整った製造業システムが備わっている。このことは多国籍科学技術企業が先端の成果をより競争力の高い製品へと転化させ、グローバル競争力を高める上でプラスになる」との見方を示した。
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