世界ブランド志向から国産ブランド志向へ ダブル11の消費者に変化

ダブル11(11月11日のネット通販イベント)のセール期間が10月31日に正式にスタートすると、天猫(Tmall)から蘇寧易購、さらには唯品会まで、大手ECプラットフォームでは中国国産品のショッピングブームが巻き起こった。国産品はますます喜ばれるようになり、今や消費の中心となっている。

10月31日午後8時、天猫のダブル11セールがスタートすると、開始からわずか1時間で、102のブランドの取引額が1億元(1元は約19.7円)を超え、そのうち半分以上を国産品ブランドが占めたことが大きな注目点になった。

ダブル11プレセールでは、10月22-31日の10日間にあるライブコマーススタジオで国産品ブランドの売上高が1億元を超えたものが8つ、5千万元を超えたものが29に上った。今年のダブル11が正式にスタートすると、たくさんの国産品ブランドが大人気インフルエンサー・李佳琦のライブコマーススタジオで売り上げを大幅に伸ばした。クラウド百貨店の銀泰百貨では、国産品ブランド全体で30%を上回る伸びを達成し、安踏、波司登、麦檬、毛戈平、朱炳仁などのブランドは特に大きく伸び、若い世代の自国文化に対する自信がより強く示されることになった。

化粧品の面では、研究機関の億欧智庫のデータを見ると、中国の消費者の国産品ブランドに対する注目度は2016年の45%から21年の75%に上昇し、伸び率は国際ブランドへの注目度をはるかに上回った。実のところ、現在の国産化粧品の価格は決して安くはなく、海外ブランドの最低価格に徐々に接近している。ここから消費者の国産化粧品の購入意欲が大いに高まったことがわかる。ネットユーザーからは、「これまでのダブル11の舞台では、海外の大手ブランドが主役をほぼ独占し、売上ランキングにもこうしたブランドばかり並んでいたが、今は国産ブランドが猛烈に追い上げ密かに逆襲している」という感嘆の声も聞こえてくる。

消費者はかつては世界の大手ブランドを喜んで買っていたが、今では国産のトレンドブランド製品を買いたいと思うようになった。まさにアディダスのカスパー・ローステッド最高経営責任者(CEO)が述べたように、「中国の消費者は変わった。グローバルブランドより現地ブランドを好むようになった」。