中国の国産旅客機C919が許可証取得のテスト飛行を完了 1兆元市場を牽引へ

中国商用飛機有限責任公司が公式微博(ウェイボー)で8月1日、中国の国産大型旅客機「C919」が許可証取得のテスト飛行を完了したと発表した。

中国民航管理幹部学院の鄒建軍教授は、「許可証取得のテスト飛行の完了はC919が機能・信頼性を確認するテスト飛行を含むすべてのテスト飛行の任務を完了したことを意味する」と述べた。

中関村意谷(北京)科技服務有限公司(中関村e谷)の趙欣最高財務責任者(CFO)は、「C919の第1機の引き渡しと商用運航が年内に実現する可能性は高い」と述べた。

前出の鄒氏は、「民間機製造業の発展の加速、航空機製造業と航空輸送業の融合発展の推進という角度から見ると、将来はC919が中国国内のナローボディ機の重要な導入対象になる。C919が商用運航の実現にますます近づいていることは、中国国内の航空会社の機材構成にいくつかの変化が生じる可能性があることを意味する」との見方を示した。

航空機製造業は「工業の花」と称えられ、産業チェーンが長く、材料科学、化学、電子工学、空気力学など複数の工業分野の技術が結集している。

証券会社の研究報告書によれば、大型航空機産業は産業チェーンが長く、付加価値が高い。C919のラインオフと量産化をめぐり、大型航空機産業チェーン全体で1兆元(約19兆3千億円)規模の市場の可能性を秘めているという。

趙氏は、「航空機製造業は集大成した概念であり、電気機械や材料などを大きく牽引する役割を果たすことができる。これから引渡量が徐々に増えるにつれ、大型航空機産業チェーン関連の上場企業の業績予想を大幅に向上させる役割を果たすことができるだろう」と予想した。

中航航空電子系統股份有限公司の関係責任者は、「弊社子会社がC919に製品を提供しており、今後はC919の商用運航がさらに行われるようになるのに伴って、弊社の業績向上にプラスの影響を与えるだろう」とした上で、「現在、弊社の売上高の構成は相対的に安定しており、将来は国産大型航空機の関連業務の割合を拡大する計画だ」と明かした。