なぜ青島に世界の企業上位500社が集中するのか

経済的活力があり、利益が上がる地域や業界に資本が流れていくのは自然なことだ。世界上位500社にランクインできる企業は、市場の利益追求に神経を尖らせており、経済に勢いがあり将来性がある投資先を追い求めている。青島はまさに彼らが求める場所の1つだ。青島市の張新起市長は2014年の政府業務報告のなかで、青島は対外貿易水準の引き上げのため外資を利用するとし、資本導入、技術導入、インテリジェンスの導入を結合し、積極的に国内外の大企業本社、研究開発センター、販売センターを誘致することを明らかにした。これは「世界の巨頭」たちに、青島のさらに広大な発展の余地を提供するだろう。

 

 

世界上位500社が評価

1988年に丸紅が青島市に世界上位500社では初の投資事業である青島青紅食品有限公司を設立して以来、青島市は世界上位500社が集中する都市となった。

青島市商務局の統計によると、2014年1月末時点で、ルーセント、A.P. モラー・マースク、伊藤忠、現代、バイエル、香港上海銀行、メトロなど世界上位500社のうち114社が青島で229事業に投資している。このことは、青島の投資環境が認められたことを意味する。幸せで住みやすい近代的な国際都市であり、開放と刷新を続けている青島だからこそである。

青島に投資している事業は、日本、韓国、米国、香港の企業によるものが多い。産業分布では、石油化学、紡績アパレル、食品飲料などの伝統産業だけでなく、IT、新エネルギー、省エネ、環境保護などの新しい産業まで全般に及んでいる。

中国の対外開放が進むのに合わせて、世界上位500社の青島での事業展開のスピードも加速している。1984~2000年の間には77事業、2001~2005年には73事業、2006~2010年には43事業が設立されており、2011年から現在までにセブンイレブン、AOC、ウォルマート、三菱重工捷能など36の投資事業が新たに批准されている。

青島が世界上位500社が集合する重要な場所となっていることは正確な数字に示されている。

青島に投資するということは青島を高く評価しているということだ。青島の地理、開放的な面や、産業、イノベーション、政策という点での優位性は、青島に根を下ろした事業の将来を明るく照らしている。

張芳氏は青島の投資環境を高く評価しており、「山東半島青色経済区が国家戦略に格上げされたのに伴い、青島はこの経済区の中心として大きな発展のチャンスを迎えている。地域経済発展戦略は金融業界に発展の余地と歴史的チャンスを提供している。われわれは山東省と青島の発展の見通しに自信を持っている」と語っている。

統計の数字も世界的大企業の青島での好調ぶりを証明している。昨年、青島市統計局が重点監督した世界上位500社のうち青島で投資した72企業の売上高と利益はそれぞれ前年比8.6%、9.4%増加し、全体として成長している。

 
青島四方ボンバルディア鉄道運輸設備有限公司の生産設備

ウィン・ウィンに向けて協力

国際的大企業の資本移転は、数十社から多くは百社に上るグループ企業が一緒に移転し新たに集合して、整った産業チェーンを構成することで牽引される。

ここ数年、中国の鉄道輸送の発展によって青島四方ボンバルディア鉄道運輸設備有限公司は拡大を続け、青島の車両製造業全体の成長を促進しているが、そのグループ企業は数十社あり、そのなかには多国籍企業の投資による外資企業も多く、同社のある地域は「車両の町」として有名になっている。

ボンバルディアと同様、日本のサンヨー電機は青島の本土企業とともに成長している。グローバル戦略の重要な一環として、サンヨー電機は中国を最重要市場と定め、早くから中国で冷蔵庫コンプレッサー生産の拠点を探していたが、2002年1月、サンヨー電機とハイアールグループが提携契約に調印し、青島三洋電機有限公司が設立され、その工場はハイアール工業園に建設すると決めた。決定、商談、工場リースから大量生産まで、青島三洋電機の設立にはわずか10カ月しかかからなかった。現在、会社は順調に発展している。

現在、青島で投資している世界の大企業各社は程度は異なるものの良好な業績を挙げている。同時に、それらの企業は青島経済と社会の発展に大きく貢献している。青島市商務局の調査研究では、世界上位500社の青島進出は、伝統産業の転換にも大きな役割を果たしていると分析している。

青島即発グループは東レとの提携によって、無名の郷鎮企業から年間輸出額3億ドル(約309億円)の大型企業へと成長し、紡績業産業チェーン全体の技術革新を推進し、キチン、ナノ原材料など革新的製品を導入、その生産技術も低炭素化に向けて改善された。華潤グループは2つの風力発電プロジェクトに投資し、全市のエコエネルギーの利用を推進した。その他、発達ハイアール光電、大手海恩情報技術、安普泰科電子、ルーセント科技などのプロジェクトの導入は、青島市の伝統産業の情報化の進展に大きな役割を担っている。