台風一過、青空が広がる9月9日午前、「チャイナフェスティバル2023」が、東京の緑豊かな代々木公園で盛大に開幕した。
当イベントは、中国駐日本国大使館及び「チャイナフェスティバル2023」実行委員会の共催によるもので、日本アジア共同体文化協力機構、日中友好協会、在日中国企業協会、東京中国文化センター、中国駐東京観光代表処、在日華僑華人団体が後援した。
「チャイナフェスティバル」は2017年に第1回が開催され、各界の関係者が共同してつくり上げてきた中国の文化活動であり、民間友好交流のプラットフォームである。4年振りの開催となった当イベントは、各界から支持され、大きな注目を浴びた。
開幕式では、実行委員長の呉江浩駐日中国大使、最高顧問の福田康夫元首相、筆頭実行委員である在日中国企業協会の王家馴会長ら主催者側の代表、外務省審議官の岩本桂一氏、公明党の山口那津男代表がそれぞれ挨拶し、実行委員会事務総長の青柳陽一郎衆議院議員が開幕を宣言した。
開幕式には、丁玥中国大使夫人、楊宇公使、薛剣駐大阪中国総領事、楊嫻駐名古屋中国総領事、日中友好会館の宮本雄二会長代行、全日本華僑華人連合会の賀乃和理事長及び何徳倫会長、俳優の松峰莉璃氏、スノーボードコーチの佐藤康弘氏ら両国の各界の代表及び南アフリカ、カンボジア、ラオス、スリランカの駐日大使が出席した。
呉江浩大使は、中国駐日本国大使館及び日中友好団体、華僑華人が共に築き発展させてきた「チャイナフェスティバル」のこれまでの歩みを振り返り、当イベントが、EV、スマート家電、中国沿岸部及び南西部の環境に優しく住み良い都市、中華料理と白酒、漢服とアニメ等を出展テーマとし、中日の民間友好交流の深化に果たしてきた役割を高く評価した。
また、中国の産業・製造、風土・人情、飲食・文化等の各分野の特色や特長を総括するとともに、旅行会社、航空会社と日本の団体との共同出展による中日の交流・協力の新たな成果を評価した。
呉江浩大使は、45年前、中国と日本が永続的に平和友好関係を築くことを旨として結ばれた『中日平和友好条約』に思いを馳せ、そのことによって、両国の交流は永遠であるとの原則と方向性が確立されたのであり、「チャイナフェスティバル2023」が、『中日平和友好条約』締結45周年という重要な節目に開催されたことには大きな意義があると強調した。
呉大使はさらに、現在、両国の関係は複雑かつ困難な状況に直面しているが、中日関係の重要性は変わっておらず、条約が定めた平和、友好、協力という方向性も変わることがあってはならないと指摘し、「チャイナフェスティバル」を契機として、より多くの人びとが交流し、相互理解と信頼を深め、中日関係の改善・発展へ力を結集していただきたいと希望した。
そして、より多くの日本の友人が中国を訪れ、中国の新たな発展と新たな変化を直接目にし、中国社会の活力を間近で感じ、ありのままの「中国の現代化」を見ていただきたいと語った。
福田康夫元首相は、われわれの協力によって、イベントの規模は次第に拡大し、世間の耳目を集め、今や日中友好交流の一大イベントとなった。今後さらに発展することは間違いないと、「チャイナフェスティバル」に対する熱い思いを語るとともに、「チャイナフェスティバル2023」は、中国全土のグルメを味わい、中国の歴史・文化を体験できる豊富なコンテンツが用意されており、双方が当イベントによって、民間交流をより深化させ、友好を促進していくよう期待を寄せ、今後も双方が人文交流を継続し、切磋琢磨していく限り、日中関係は必ずや大きく改善し発展していくに違いないと語った。
外務省審議官の岩本桂一氏が林芳正外相のメッセージを代読した。林外相は、両国は「引越しのできない隣国」であり、両国関係はさまざまな課題を抱えているが、引き続き意思疎通と対話を強化すべきだとし、自身が今年4月、3年ぶりに中国を訪問し、中国首脳と会見した感想を踏まえ、両国の指導者が昨年の会談で達した重要な合意に言及し、今後も人と人の絆を深めていくことが必要だと述べた。そして、「チャイナフェスティバル2023」を通して、両国の民衆が理解と信頼を深め、新たな友誼を育んでいただきたいと述べ、日本政府は全力で両国国民の交流を支援し、建設的かつ安定的な日中関係の構築に努めて参りたいと語った。
公明党の山口那津男代表は、『日中平和友好条約』締結45周年の節目に当たり、創価学会の池田大作名誉会長と周恩来総理が会見した際、日中の平和と友好促進への確固たる信念を表明した貴重な歴史を思い起こす。その後、平和友好条約という形で結実し、永遠に日中の平和友好をつくり出す源となっている。日中が発展を続け、世界の平和と繁栄に大きな役割を果たし、日本の人びとが「チャイナフェスティバル2023」への参画を通じて、中国の伝統文化をより深く体験し、中国の「現代化」を理解していくことを望んだ。
王家馴会長は、在日中国企業協会の設立以来23年間取り組んできた中日友好交流の主要な活動を振り返り、同協会が日本で発生した地震や台風等の自然災害やコロナ禍において寄付活動を行い、企業の社会的責任を果たしてきたことを紹介し、同協会はこれまで通り、各界の皆様と手を携えて中日の平和・友好を促進し、経済協力の明るい未来を築いていきたいと述べた。
青柳楊一郎衆議院議員は、日中関係はさまざまな課題に直面しているが、対話のチャネルを維持し、交流の機会を創出することがより重要である。両国の関係は天気のようなもので、風雨の後には必ず晴天が訪れる。「チャイナフェスティバル」が、より多くの交流の機会を創出することを期待していると語った。
「チャイナフェスティバル2023」は、9月9日、10日の両日にわたって開催された。メインステージでは、20組以上の出演者による多彩な演目が次々と披露され、会場には、グルメ、物産、文化、経済・貿易、製造業、地域振興等の分野の80を超えるブースが出展された。
中国国際航空公司、BYD AUTO JAPAN、宝和通商、トヨタ自動車、中国留日同学総会、暨南大学日本学院、東京中国文化センター、T&K等の団体・企業が精力的に出展に参画した。
特筆すべきは、中国駐日本大使館が領事相談ブースを設け、証明書手続きや領事保護のための現地情報サービスを提供し、中国の「人民のための外交」、中日友好に寄与しうる外交との精神を体現していたことである。
期間中、呉江浩大使夫妻は一つひとつのブースに足を運び、参加者と間近でコミュニケーションをとりながら、華僑団体及び華僑同胞の状況に耳を傾け、中国語学習者と中国語で会話をしたり、パンダ愛好家と中国の「国宝」について語り合ったり、卓球大会に参加するなどした。
福田康夫元首相ら日本の来賓もみな、現場に足を運び、参加者と熱心に交流し、中国文化の多彩な魅力を満喫した。「チャイナフェスティバル2023」には2日間で延べ15万人が来場した。
(撮影:李振溪、呉暁楽など)
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