最近、健康と観光ニーズの両方を満足させる一挙両得な医療ツーリズム(医療観光)商品の人気が日増しに高まっている。韓国整形ツアー、台湾・日本検診ツアー、スイス美容ツアーなどは、観光に加えて、さらに一歩進んだ異なる体験を望む人々の人気商品となっている。
女性の一番人気は、血液クレンジング
6月29日に閉幕したばかりの「2014北京国際旅遊博覧会(BITE)」では、医療観光機構が一躍注目され大きな人気を集めた。
医療ツーリズムに参加して日本に行ったばかりだという蔡麗娜さんは、「海外の医療ツアーは非常に便利」と満足そうに語った。蔡さんは先日、東京で胃の内視鏡検査と血液クレンジング療法を行った。その際、最も印象に残ったのは「サービス」だったという。検診を行う病院はまるでホテルのようで、いずれのサービスも個人に合わせて行われる。「まるで皇帝になった気分だった」と蔡さん。
蔡さんは中国でも胃の内視鏡検査を行ったことはあるが、今回はほとんど痛みを感じなかった。患者はモニターで内視鏡がどこまで入ったかを自分の目で確かめることができ、医師はモニターに写った部位の状況を細かく患者に説明する。血液クレンジング療法は血液100ccを特殊な瓶の中へ採取し、その中にオゾン発生器より摂ったオゾンを少量注入し、その血液を体の中へ戻す。主にアンチエイジングに効果があるとされる。残りの2日間、蔡さんは観光やショッピングを楽しんだ。
蔡さんが利用した医療ツーリズムを企画した新視野グループは、「血液クレンジングなどのアンチエイジング治療は日本でここ数年流行っているもので、現在中国の女性観光客の人気を集めている。医療ツーリズムと普通のツアーを比較すると、費用はやはり高めで、医療プログラムによって異なるが、価格は3-5日間で約1万元から6万元(約16万4千円~98万7千円)となる。1カ月前までの予約および病院が用意した質問表の記入が必要。病院には医療に詳しい通訳者が待機し、観光の際には観光用の通訳者が対応する」と説明する。
海外の体験ツアーもトレンドに
中国の人々はなぜわざわざ海外に行って医療を受けるのか? これは、国内では質の高い医療資源が限られていることや海外の先進的な医療・サービスに関係している。
中国の旅行社・和平国旅の李暁峰社長は、「以前、旅行社では医療ツーリズム商品をあまり多く扱っていなかったが、問い合わせが多いことに気付いた」として、「台湾の検診ツアーの内容は、大陸部の検診とほぼ同じで、物を食べずに病院に行き、高級ホテル並みのサービスを受けることができる。検診結果は専門家によって説明される。現在、日本や台湾の検診ツアーを求める人が多い。ドイツや米国も同様の商品はあるが、費用は若干高い。また、このようなオーダーメイドツアー商品を企画する機構は多いが、商品の質は玉石混同となっている」と指摘する。
医療ツーリズム機構の担当者は、「日本の検診ツアーは主にガンの予防医療がメインとなる。日本のガン検診システムは、すでにミリ、ミクロンメートル(ミクロンは1000分の1ミリ)単位の治療を確立しており、計300種類以上の早期ガンや5ミリ以下の早期ガンまで発見することができる」と説明する。
一般的な検診のほかにも、補助療法を行うツアーも流行の兆しをみせている。例えば、ニュージーランドの睡眠研究センターに行って、不眠の原因を分析および治療するという「ニュージーランドの不眠治療ツアー」を売り出す機構もある。また、ドイツの医療機関は糖尿病治療で功績をあげている。
医療ツーリズム機構によると、一般的に35歳から55歳の年代の利用が最も多いという。やはり中年層が健康問題を最も重視しているようだ。以前医療ツーリズムに参加する人は、ほとんどが富裕層だったが、現在は高級管理職や普通のサラリーマン層に変化している。
中国伝統医学の健康法を体験する外国人たち
中国人が海外で医療ツーリズムに参加する一方、外国人たちも中国に訪れて医療ツーリズムを体験している。「神秘的な中国医学」の力はすでに多くの外国人から認められている。北京市旅遊発展委員会高端(ハイエンド)処の任江皓処長によると、北京市はまもなく特色ある中国医学を体験できる10種類の健康観光ツアー路線を打ち出していくという。これには、中医薬をテーマとした養生文化園や中国医学館の見学、太極拳の体験学習、薬膳健康食、マッサージなどのプログラムが含まれている。任氏は、「いきなり初めから純粋な医療プログラムを提供することは難しいが、これも1つの過程であり、外国人の中国医学に対する理解を少しづつ深めていくことができれば」と語る。
中国医学の体験ツアーを企画する機構によると、すでに多くの欧米人が中国に来て同ツアーを経験しているという。中国医学の基本的な検診費用は200元(約3286円)だが、一部特別なプログラムでは、費用が1000元(約1万6430円)を超える場合もある。すでにいくつかの北京市内の旅行社が外国人に対して中国医学の医療ツーリズム商品の販売を開始している。同仁堂など漢方薬の老舗に行くツアーや、中国の針灸を体験するツアーもあり、多くの外国人が大変興味を示しているという。
現在、医療ツーリズムを取り扱っているのは、主に新しく設立された中間機構が多く、総合旅行社は比較的少ない。ある業界関係者は、「海外の医療費は高く、効果も正直よくわからないものが多い。消費者は、本当にこのような治療を行う必要性があるのか今一度よく考えるべきだ」と指摘する。
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