親のお金で節約旅行 大学生の「貧乏旅行」8大調査
若者は冒険やアクティビティーを好む

若者や学生は中国の観光業界にとって、最も活力と潜在力をもった市場である。中国青年報と青年旅游伝播研究院は、清華大学、西南民族大学、厦門大学、雲南大学、湖南大学等全国の23大学の在学生に「全国大学生旅行意識調?」を実施した。調査対象となったのは男子学生が62.07%、女子学生が37.93%。学年の内訳は、1年生5.6%、2年生24.4%、3年生55.7%、4年生11.0%で、大学院生が3.3%であった。

 

問1:どんな旅行が好きですか?

冒険・アクティビティー好き

調査によると85.43%の大学生は旅行好きで頻繁に旅行している。そのうち47.91%が少なくとも1学期に一度は旅行に行き、旅行に行ったことがないという学生はわずか11.15%だった。

旅先を見てみると、省内とその周辺が52.69%で、海外旅行はわずか5.84%であった。また、37.34%が森林公園を、25.85%がレジャー農場を、52.62%がアウトドアに適した山野を、36.48%がテーマパークを選んでいる。全体的に今の大学生は冒険とアクティビティー(課外活動)を好むようだ。

旅行費用については、36.42%が生活費の10~20%を、31.30%が20~30%を充てている。

問2:好きな旅行スタイルは?

フリープランが人気

交通手段は列車が1位

67.85%がフリープランを選んでおり、交通手段は65.09%が列車を、49.67%が車を、14.17%が自転車を選んでいる。

問3:旅行目的は?

多元化の趨勢

1位が景色を楽しむ(33.33%)、2位が見聞を広める(28.35%)、他に気分転換(27.82%)、冒険(8.60%)があった。

 

<専門家の分析>

北京第二外国語学院旅游管理学部主任で、中国旅游経済研究センター主任の厲新建氏は話す。「アウトドアや大自然の中での観光は、大学生の学習能力を大いに高める効果があります。今後、観光地はそのためのより良い方法を考える必要があります。また、フリープランが今後も大学生市場で成長していくでしょう。フリープランは自由で手軽でなければなりません。大学生向けに、観光地は新たなサービスを創出・改善する必要があります。例えば、技術面からいえば、情報発信を充実させたり、検索をリンクさせることができます。大学生が美食を好むとしたら、観光地のグルメ情報を彼らに発信することによって、彼らは時間をかけず、より適した商品を選ぶことができるのです」。

 

問4:旅行費用はどこから?

多くは親から

費用は上昇傾向にあり、わずかに自己負担に転じる

52.23%が親から、27.03%が生活費を節約して、13.78%がアルバイトであった。

問5:旅行費用の内訳は?

宿泊費が1位

グルメへの出費は惜しまない

3日以内の短い旅行では、34.78%が200元(約3400円)以内、39.11%が200~500元(約3400~8400円)、21.19%が500~1000元(約8400~16800円)であった。旅行費用に占める割合では1位が宿泊費、2位が食費で、その次が入場料・交通費であった。

 

<専門家の分析>

厲新建氏は分析・指摘する。「80%が旅行費用を親に頼っています。大学生が自力で旅行できるようになるまでにはまだ時間が必要です。まず、大学生列車ツアーを組織するなど、大学生のための旅行商品を提供し、社会がより便宜を図る必要があります。次に、大学生自身が能力を高めねばなりません。私が2008年にオーストラリアにいた時、海外からメルボルンに旅行に来ている多くの学生に出会いました。出発前、彼らはメルボルンまでの旅費しか持っていないのです。メルボルンに着いてからは、アルバイトをしながら旅を続けます。農場で働いたり、ユースホステル、安い旅館、バックパッカー用の宿に行き、働きながら宿泊します。こうすることによって大学生の旅の理念を高めることができます。必ずしも出発前にすべての費用を準備する必要はなく、道中稼ぐことができるのです」。

 

問6:旅のこだわりは?

旅の快適度を最も重視

旅先を選ぶ時、大学生が最も重視するのは快適度で37.27%、2位は費用で22.64%、3位が安全で19.82%であった。

大学生が旅行中不満を感じているものに、宿(37.53%)とスーベニア(お土産など)に特色がない(27.76%)があった。

問7:旅行時機は?

夏休みがトップ

主要な情報源はインターネット

旅行の時機は夏休みがトップで、冬休みが24.87%、5月のメーデー等の短期の連休が41.34%、国慶節のゴールデンウィークが34.652%、2連休が16.40%であった。

問8:旅行体験の共有方法は?

ニューメディアがトップ

写真が主要なツール

大学生は新しいものを最も容易に受け入れる。旅先や価格の情報はインターネットから入手している。旅行体験を紹介する方法としては、ブログが58.27%で最も多く、ミニブログが35.24%、「微信朋友圏」が22.51%であった。また、69.75%が写真を活用しており、文字で旅行記を記しているのはわずか17.45%であった。

 

<専門家の分析>

厲新建氏の分析はこうだ。「技術環境はとても敏感な問題です。いつでもどこでも感想を発信して他の消費者に影響を与えるというのが大学生の旅の特質です。よって、観光地への要求はとてもシンプルです。いつでもどこでも無料でネットに繋げられることです」。