世界中で中国人客の奪い合い

韓国の各デパートはさまざまなアイディアで、春節休暇中に韓国を訪れる中国人観光客を呼び込むための商戦を繰り広げた。韓国観光公社は、春節に韓国を訪れる中国人観光客を6万3000人と見込んでいる。

中国人客をターゲットに

米国カリフォルニア州では春節シーズンを迎え、中国人観光客を手ぐすねを引いて待ちかまえていた。ロサンゼルスのユニバーサルスタジオ・ハリウッドでは特別に『魅惑の北京』という中国の芸術文化を紹介するイベントを開催した。

米国では大都市が頻繁にアクションを起こすだけでなく、中小都市でも中国人観光客を呼び込もうと追随し始めた。ボストンなどでは細やかなもてなしに着眼してサービスを改善し、中国人観光客を招致しようとした。

ソウルのデパートもロサンゼルスの大型ホテルでも次々に中国語通訳を配置し、英語のできない中国人観光客をサポートしている。

英国では、中国人観光客がロンドン近郊のブランド品を安売りするアウトレットに殺到している。店では1月初めに中国語と英語のポスターを貼り、店頭には春節の装飾品を掛け、「銀聯カード」の取り扱いも始めた。

タイの観光部門も中国人観光客の市場開拓戦略を立ち上げ、多くの観光ルートを開設した。同時に観光局のPRに協力してもらうため、タイのスターを「観光大使」に任命した。

 

世界経済を「暖める」

ここ数年、春節休暇中に海外旅行する中国人が急増している。米国商務省の統計では、米国を訪れる中国人観光客の増加幅は世界でもトップで、この先3年間で中国人観光客の人数は2倍以上になると予測している。

中国人観光客の巨大な消費力は世界中の注目の的になっている。昨年の春節期間にヨーロッパを訪れた中国人観光客が購入した高級ブランド品は72億ドル(約673億3440万円)に上り、期間中のヨーロッパのブランド品売り上げ総額の62%に達した。今年はさらに大幅に増加すると予測されている。

これは中国の地位の向上と中国経済の高度成長のおかげであり、BBCは中国は世界の消費を牽引する国の一つになったと報じている。

中国の春節は、低迷する世界経済を暖め、経済危機の泥沼にはまっている多くの国に金運と希望をもたらすだけでなく、全世界の人々にとってのゴールデンウイークであると、ある外国メディアが評したほどである。