地域に根差し華人もサポート 無印良品の防災活動が好評

 先日、日本政府の地震調査委員会は、今後30年のうちに首都圏直下型地震が発生する確率は約80%であると発表した。地震調査委員会の平田直委員長は、報告書には今後30年間とあるが、明日起きてもおかしくないことを強調した。

 現在、日本社会は繁栄し、高層ビルも次々に建てられ、文化活動も盛んである。学校、企業、マンションなどで不定期に行われる地震防災訓練は、日本国民のなかでは転ばぬ先の杖として重要な活動となっている。備えがあれば、地震が起きてもパニックに陥ることはない。

 東京都内に住む外国人の人口は2019年1月1日に55万人に達し、過去最多となった。そのうち21万3767人は中国人で、実に全体の38.8%を占める。大部分の中国人には大地震の経験がなく、子供から大人まで防災訓練を受ける機会がある日本人とは状況が異なる。

 では、自分に頼るしかないのか。答えはノーである。5月21、22日の両日、株式会社良品計画は池袋のイケ・サンパークで、住民の防災知識を高めるために「いつものもしもCARAVAN」を開催した。


 このイベントでは、日常生活用品を含む何が災害時に役立つか、怪我人が出た場合にはどのように毛布で簡易担架を作るか、一家4人が電気も水もない状況でいかに7日間生活するかを学ぶことができ、さらには避難所生活を体験することもできる。


また、実践、クイズ、体験、参加形式など、子供から大人までが楽しみながら学べるようになっている。


 株式会社良品計画といえば、誰もがまずは小売業界の神話的存在である日用品ブランド、無印良品を思い起こすに違いない。無印良品は一貫して、シンプルかつ独自のデザインと生活スタイルを提案することで人々の心をつかんでおり、世界中に多くのファンがいる。およそ衣食住に興味のある人なら、みな無印に興味を持っていると言っても過言ではない。


 実際、株式会社良品計画は日用雑貨、家屋の建築、キャンプ場、カフェなどの業種以外にも、地域に根ざし、地域住民の役に立つため、募金活動などもおこなっており、人を基本とする企業理念を徹底している。

「いつものもしも」の活動は、今年は6月4日、5日に岐阜県各務原市、7月2日、3日に広島県広島市、10月29日、30日には新潟県上越市で「いつものもしもCARAVAN」を開催する予定である。こうした参加体験型のイベントを通して、地域全体の防災力を楽しく遊びながら向上させるのが目的である。

 二人の子供を連れてこのイベントに参加した華人女性は、「台風や地震、土石流の対策はずっと国や自治体の仕事と考えていました。もし運が悪ければ、ただ助けを待つだけだと思っていましたが、このような活動に参加して考えが変わりました。天災に対して受け身から自発的になりましたし、子供たちも楽しく遊べました」と語った。

 社会はこのような企業を必要としているし、在日華人華僑もより多くの防災普及イベントに参加する機会を必要としている。人を基本とする無印良品に「あっぱれ!」である。