故宮の新地図を全面展開
紫禁城に登って故宮が見られる

7月6日、故宮博物院は記者会見を開き、単霽翔院長は、“『故宮保護全体計画』の制作、世界文化遺産の監視管理、安全防御システムの強化、文化財の科学的管理”などの10項目からなる新しい故宮の青写真を発表した。


故宮の角楼

 

故宮博物院は門を閉めない

単院長が自ら制作したスライドでは、故宮の四角い敷地の上部に2つの長方形のゾーンが伸びている。南側は端門と広々とした端門広場が広がり、北側には大高玄殿ゾーンが伸びている。

「紫禁城が毎日午後5時半に閉門しても、故宮博物院は門を閉めません」。単院長はこの2カ所のゾーンの将来の使い方を具体的に説明した。端門城楼と大高玄殿の礼堂は、どちらもデジタル博物館にする。見学客は営業時間外でも引き続き故宮の建物やさまざまな文物を見ることができる。しかも今年7月から、参観客はここで週1回、故宮の文化講座を聞くことができるというのだ。

さらに、現在修理中の東華門で、見学客が城壁に登り、城壁に沿って歩いて故宮を見られるようにし、「将来は赤い壁の中は全部故宮の展示スペースにし、事務所や科学研究部門は赤い壁の外へ移したい」と語った。

今年3月に『故宮保護全体計画』の制作が正式にスタートした。最新の正確な計測統計に基づく故宮の敷地面積は1.1161k㎡である。そして、9000間ほどの部屋の使用方法が、これから決定される。

 

ラベルで文物の移動を管理

「デジタル故宮」「故宮博物院ブログ」など、今後、故宮の姿や収蔵品データはより多くの情報手段により、さらにオープンになる。今年1月、故宮がはじめて収蔵品を公表して以後、故宮の文化財管理はすでにより進んだ文物情報データベースの制作に入っている。25の大分類、180億7558万点の故宮文物は、当面は収蔵品総目録を通じてソフトを作り、誰でも文物リストを検索できるようにする。

現在、すでに、「故宮世界文化遺産監視測定情報プラットホーム」が完成しており、故宮の文物や古建築を職員が全面的な検査測定に入っている。「今後は文物ごとにラベルを付け、移動や変動があっても管理できるようにする」と、より多くのネットワークの新技術を使い、故宮の管理保護を実現したいと説明した。

 

家に持ち帰れる故宮文化を

ドイツの「金龍と銀鷹」展、アメリカの「乾隆帝花園」展、日本での「国宝観瀾」展など、故宮の展覧会は世界各地で開催され、多くの人々に喜ばれている。また、故宮文化を世界に向かって発信するだけでなく、民衆の暮らしの中に溶け込むよう努力し、家に持ち帰れるようにしたい、とも。たとえば、「(故宮をデザインした)清朝の姫・王子」のTシャツは格好がいいと評判で、よく売れている。「見学客が故宮文化を家に持ち帰ることを願っています。5元でも10元でも、商品は値段に関係なく良いもので、故宮の特色を備えていなければいけません」。