北京の「老舗」がネットに店舗をオープン

北京観光での「老舗」めぐりはすでに旅行者の大きな楽しみになっている。

「老舗」の何をめぐるのか。それには「老舗」が持っている文化から語らねばならない。北京は歴史上の悠久の古都として、千年以上蓄積した文化を持ち、名店が林立している。その一部は古都の特色に彩られた「老舗」で、長い歴史を持つ。北京の貴重な遺産にもなっており、北京の特色あるブランドでもある。

俗に「長城に至らなければ好漢でない、?鴨(北京ダック)を食べなければ遺憾の極み」と言われるように、全聚徳は既に北京の象徴のひとつになっている。「老舗」は中国の悠久の歴史の一部であるだけでなく、ここで経験できるのは伝統であり、儒家の哲理に富んだ人間味のあるサービスを体験できる。

北京で「老舗」が集中している街は、大柵欄、王府井、瑠璃廠(ルリチャン)、前門大街、東単、東四、西単、西四などで、毎日観光客が賑やかに行き交い、売り買いが活発に繰り広げられている。

特に同仁堂、全聚徳、同升和などは儒家の仁、徳、和の理念を屋号に用いており、文化的な品位を示しているだけでなく、誠実さと信用で客をもてなし、品質を重視し、行き届いたサービスと独特な高い技術とで、その無形の価値は極めて貴重だ。

観光の「六つの要素」である食、住、行、遊、購、娯は、すべて「老舗」と関連がある。例えば、1949年の建国式典の宴会は北京飯店で行われたし、その他の一部の「老舗」も多くの類似した活動で使われている。そのため、党と国家の指導者は北京の「老舗」の経営と発展に十分関心を払っている。

現在北京で商売している「老舗」は200軒以上あり、文物、工芸、商業、飲食、医薬、食品や劇場などの業態をカバーしている。「老舗」は独特の高い技術を備え、国内外の観光客を引き付ける魅力に富み、国内外の市場で非常に大きなアピール力と影響力を持っている。

首都北京は大市場であり、北京に進出することは中国市場に打って出ることに等しい。改革開放以来、ウォルマート、カルフール、ケンタッキー、マクドナルドなどの世界的な名店が多くの世界的ブランドを携えて北京市場に乗り込んで来た。同時に、国内の他の地域の有名ブランドも次々と北京に進出し、商機を窺っており、それが北京の「老舗」の存続と発展に競争とプレッシャーをもたらしていることは疑いない。

新たな状況に直面して、北京の有識者は「『老舗』を振興し、現代の『老舗』を発展させ、新しい北京に彩を添え、観光業発展を促進しよう」という新たな取り組みを提唱している。

まず、商業である「老舗」を文物の範疇に組み入れる。北京市は、『文物認定管理暫定規則』で歴代受け継がれてきた「特別な技術」や「秘方」を無形文化財に組み入れ、法律で保護している。

さらには、「老舗」のインターネット上での開店も実現し、北京では既に、百軒近い「老舗」の3000種以上の商品がネットで販売されている。市民が「老舗」のブランドで商品を選ぶことが出来るようになったことは、「老舗」が販売を拡大し、現代的な販売手段を得たことを意味する。

さらに、多くの従業員たちに「文化振興、信頼確立」の考え方を教育し、望ましい商業文化と市場環境を育成する。「老舗」は「古いブランドで新しいものを売る」ことによって、観光業の発展促進に貢献しているのである。