「電影祭」が東京で開幕 中国アニメが大人気

日本のアニメは100年の歴史を持つ。この100年間、洗練され、ストーリー性があり、優秀な制作スタッフに恵まれた日本のアニメは、世界的に文化のソフトパワーを築き上げた。現在では「 Animation」と言うより、日本語の「Anime」が使われるようになっている。

日本のアニメの影響を受け、中国の80年代生まれ、90年代生まれ、00年代生まれの多くがアニメ制作の道を選んでおり、その成長スピードは10年後に日本に追いつき追い越すのではないかと、日本アニメ界を驚かせるほどである。

10年後? いや、もしかするともっと早いかもしれない。2019年、董志凌は日本に面白映画株式会社を設立し、中国の優れたアニメ映画に日本語字幕を付けて日本で公開している。『羅小黒戦記(ロシャオヘイ戦記)』、『白蛇:縁起』、『DAHUFA-守護者と謎の豆人間』などのアニメ公開に関わった。

若く優秀なアニメのバイオニアである董志凌の使命感とチャレンジ精神は、アニメの生産スピードが最も速い日本市場を切り開いただけでなく、日本のアニメ界や老舗のアニメ会社の後押しすら得ている。面白映画は2021年の10月には1億1000万円の融資を獲得した。

その勢いに乗って、中国アニメの日本での知名度と人気を高めようと、2022年初頭、面白映画は東京・池袋で「電影祭」を創設し、毎週水曜日に中国語映画上映を始めた。公開初日には、日本の著名なアニメ関係者、日中両国のメディア関係者、日本の中国映画ファン、日本に留学中の中国人アニメ制作者が一堂に会し、ともに「電影祭」開催の喜びを分かち合った。

「電影祭」のトップバッターは『明るいほうへ』(字幕版)、タイトルは日本の詩人・金子みすゞの詩からとっている。この映画は中国初の絵本アニメであり、7人のアニメ監督によるオムニバス形式で、水墨画、水彩画、切り絵、貼り絵、ストップモーションなどのさまざまなスタイルによって、『うさこの問題』、『ホタルの女の子』、『小汽車』、『カイおじさんの糖水屋』、『フン将軍とハー将軍』、『祖母の青い車いす』、『イーぼうの日曜日』の7つの短編ストーリーによって、癒しと温かい中国の美、日常生活を描いている。

7つの短編アニメは、切り紙を使ったもの、水墨画風、京劇のBGMなど、手塚治虫など日本のアニメ作家に大きな衝撃と創作のインスピレーションを与えた中国アニメ『西遊記 鉄扇公主』、『大暴れ孫悟空』、『小鹿のバンビ』などを思い起こさせる。

7人のアニメ監督が心を込めて制作した短編動画は、日本での公開上映セレモニーの観客を驚かせ、強い共感を呼んだ。生活そのもののストーリー、やさしいけれど力のある感動的なプロットは、善と愛に満ちている。

「日常生活」のアニメに国境はない。『明るいほうへ』と同タイトルの主題歌に観客は涙をため、顔を輝かせ、子供時代のやさしい気持ちを思い出しながら、明るいほうへと映画館を後にした。