「プチバケーション」時代到来で地元旅行がメインに

中国社会科学院財経戦略研究院や中国社会科学院観光研究センター、社会科学文献出版社が3月16日に発表した「観光緑書:2021-22年中国観光発展分析と予測」(以下、「緑書」)によると、新型コロナウイルス感染症拡大が発生して以降、中国の旅行市場は「近場旅行」増加が特徴となり、「プチバケーション」時代が到来している。

コロナ禍で人気になった「プチバケーション」

「プチバケーション」とは、車で2-3時間ほどで行くことのできる都市やその周辺をメインにした場所を2泊から3泊ほどで旅行し、行く頻度が高く、満足感が比較的高い新興の旅行スタイルだ。

「緑書」によると、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、旅行者は長距離旅行には慎重になっており、遠くではなく、週末や5月1日のメーデーに合わせた3連休、その他のちょっと休みができた時に、近場を旅行して、リラックスし、「バケーション」という目的を果たすことを望むようになっている。

このような「プチバケーション」が、多くの人の間で人気のスタイルとなっている。

「低頻度行為」から「中頻度消費」へ

全体的に見ると、2020年、近場旅行が占める割合が2019年に比べて増加の一途をたどった。近場旅行の半径の分布のうち、50キロ以内のシェアが最も高くなっている。

「緑書」によると、「プチバケーション」は、従来の「低頻度行為」から「中頻度消費」へと変わり、四半期ごとに一人当たり平均約2回ほど、こうした旅行に出かけるようになっている。

2021年の第3四半期(7-9月)を見ると、旅行の頻度は前年同期比2.5%増で、うち、地元旅行の頻度が40%増となったのに対して、省を跨ぐ旅行の頻度は目に見えて減少していた。