翁道逵 ベリーベスト法律事務所(中国弁護士)
日本の暗号資産に関する法制度ガイド その37

一般社団法人日本暗号資産取引業協会(以下「認定協会」という)は、暗号資産に関する業務取り扱い関係の自主規則として、暗号資産の取り扱いに関する規則・ガイドライン、暗号資産信用取引に関する規則・ガイドライン、暗号資産交換業に係る利用者の管理及び説明に関する規則・ガイドラインなどの8つの規則・ガイドラインを規定しております。

今回は「暗号資産交換業に係る利用者の管理及び説明に関する規則・ガイドライン 」の詳細を紹介します。

●開始基準

当該規則第2条によると、認定協会の会員は、利用者との間で暗号資産関連取引を開始するための基準を定め、当該基準に照らして利用者との取引の開始の可否を判断しなければならず、関係規則に定める取引開始基準は、取引内容、利用者の属性、取り扱う暗号資産の特性、利用者の投資経験、利用者からの預り資産その他会員において必要と認める事項について定めなければなりません。

また、会員は、法定代理人の許可なく、未成年者である利用者との間で、暗号資産関連取引を行ってはならず、会員は、取引を判断する能力に欠けると認められる利用者との間で、暗号資産関連取引を行ってはなりませんが、成年後見人など当該利用者の行為を代理する 者の指示等に従い取引を行う場合を除きます。

さらに、会員は、高齢者との間で暗号資産関連取引を行う場合には、当該高齢者の取引に 対する理解及び知識、判断力その他取引を適切に行うために確認を要する事項を確認の上、高齢者の能力に応じた取引を提供しなければなりません。

●説明事項

当該規則第21条では、会員は、利用者との間で暗号資産の交換等に係る取引を開始するにあたって、当該暗号資産の性質に関し、(1) 暗号資産は、本邦通貨又は外国通貨ではないこと、(2) 暗号資産の価値の変動を直接の原因として損失が生じるおそれがあるときは、その旨及びその理由、(3) 暗号資産は、代価の弁済を受ける者の同意がある場合に限り代価の弁済に使用することができること、(4) 取り扱う暗号資産が、特定の者によりその価値が保証されていない場合は、その旨又は特定の者によりその価値が保証されている場合は、当該者の氏名、商号若しくは名称及び当該保証の内容、(5) 取り扱う暗号資産の概要及び特性、(6) 暗号資産の移転の仕組みの破たんその他の理由により無価値となる可能性があること、(7) 需要又は供給の不足により売買が円滑に行えない場合があること、(8) 国・地域における法令その他の規制により、当該国・地域において利用又は保有が制限されることがあること、(9) 暗号技術を用いて移転を記録する暗号資産の場合、暗号化されたデータを復号するための情報を喪失した場合には、他者に移転することができず、その価値が失われること、及び、当該情報を他者に知られた場合には、利用者の意思に関わらず移転されるおそれがあること、(10) 会員が盗難その他の理由により利用者から預託された暗号資産を紛失し、利用者への補てんを行わなければならない事態が生じた場合、会員の財政が破たんし、利用者に十分な補てんを行うことができない可能性があること、(11) 災害、公衆回線の通信障害、暗号資産の価値移転記録の仕組みにおける記録 処理の遅延その他会員の管理し得ない事情により生じた利用者の逸失利益について、会員はその責を負わないこと、(12) 前各号以外に暗号資産の性質に関し参考となると認められる事項を、あらかじめ利用者に説明しなければなりません。

次回へ続く