翁 道逵 ベリーベスト法律事務所パートナー(中国弁護士)
日本の暗号資産に関する法制度ガイド その32

一般社団法人日本暗号資産取引業協会(以下「認定協会」という)は、「定款施行規則」、「自主規制規則定義集」、「暗号資産取引業協会自主規制基本指針」、「監査規則」、「意見公募手続の実施に関する規則」、「会員の資格及び届出に関する規則」、「入会金及び会費に関する規程」、「無登録業者等に係る情報等の報告に関する規則」、「情報公開規程」、「会員における倫理コードの保有及び遵守に関する規則」などの基本規則を規定しております。

今回は「入会金及び会費に関する規程」、「無登録業者等に係る情報等の報告に関する規則」の詳細を紹介します。

●「入会金及び会費に関する規程」と入会金

認定協会の定款第11条によると、入会金は(1)第一種会員200万円、(2)第二種会員200万円、(3)第三種会員 未定、となります。

ちなみに、当該規程によると、会員でない会社と会員の合併等による入会金の取扱いとしては、次の各号の一に該当するときは、入会金の納入は免除するものとします。

(1)会員でない会社が会員と合併し、新設された会社が会員となる場合

(2)会員でない会社が会員と合併し、会員でない会社が存続会社として新たに会員となる場合

(3)会員でない会社が会員から営業譲渡を受け、会員でない会社が新たに会員

となる場合(ただし、営業譲渡を行った会員と新たに会員となる者が、人的かつ資本的継続性を有している場合に限る。)

 

●「無登録業者等に係る情報等の報告に関する規則」と情報報告

当該規則第2条によると、「情報」とは、次のいずれかに該当するものをいいます。

(1)資金決済に関する法律 (平成21年法律第59号)第63条の2の登録を受けないで暗号資産交換業を行っている者を知ったときは、その者及び当該者が行う暗号資産交換業に関する情報

(2)金融商品取引法 (昭和23年法律第25号)第29条の登録を受けないで暗号資産関連デリバティブ取引業を行っている者を知ったときは、その者及び当該者が行う暗号資産デリバティブ取引業に関する情報

(3)その他暗号資産交換業の利用者又は暗号資産関連デリバティブ取引業の顧客の利益を保護するために協会が必要と認める情報

ちなみに、暗号資産交換業に係る業務を行う会員は、当該第2条第1号に規定する情報又は第3号に規定する情報のうち暗号資産交換業の利用者の利益を保護するために認定協会が必要と認める情報を取得したときは、文書または電子メールにより認定協会に報告するものとます。暗号資産関連デリバティブ取引業に係る業務を行う会員は、当該第2条第2号に規定する情報又は第3号に規定する情報のうち暗号資産関連デリバティブ取引業の顧客の利益を保護するために認定協会が必要と認める情報を取得したときは、文書または電子メールにより認定協会に報告するものとします。

次回は認定協会のほかの基本規則の詳細を紹介します。

(次回へ続く)