翁 道逵 ベリーベスト法律事務所パートナー(中国弁護士)
日本の暗号資産に関する法制度ガイド その27

一般社団法人日本暗号資産取引業協会(Japan Virtual and Crypto assets Exchange Association)(以下「認定協会」という)は、2020年4月24日に、「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律」(令和元年法律第28号、以下「改正法」 という。)に基づき、認定協会の定款施行規則、業務規程及び自主規制規則の改正及び制定を行い、■基本規則、 ■資金決済に関する法律関連自主規制規則、 ■金融商品取引法関連自主規制規則、という3つの方面において定款施行規則等の改正及び制定を行いました。

今回は基本規則の改正及び制定等を紹介します。

●基本規則とは

認定協会の基本規則は、以下の5つの規則により構成されます。

「定款施行規則」

「自主規制規則定義集」

「暗号資産取引業協会自主規制基本指針」

「監査規則」

「会員における倫理コードの保有及び遵守に関する規則」

●「定款施行規則」

この規則は、認定協会定款の関係規定に基づき、定款の施行に関し必要な事項を定めています。なお、この規則において使用する用語の定義は、定款第3条に定めるところによるものとします。

●「自主規制規則定義集」

定義集は、認定協会が別に定める規則における、用語の定義を定めるものです。

●「暗号資産取引業協会自主規制基本指針」

この指針は、会員が行う暗号資産取引業に関し、遵守すべき基本指針を定めることによって、これらサービスの適切な実施を確保し、もって、その利用者等を保護することを目的とします。

●「監査規則」

この規則は、定款第 17 条に基づき認定協会が行う監査に関して必要な事項を定めるものです。

●「会員における倫理コードの保有及び遵守に関する規則」

この規則は、暗号資産取引業の担い手として、社会的責務を負っていることを十分に認識するとともに、国から信頼されるための健全な社会常識及び倫理感覚を常に保持するほか、求められる専門性への対応及び役職員の倫理の保持に必要な措置を講じ、業務執行の公正さに対する社会からの疑惑又は不信を招く行為の防止を図り、もって会員が担う社会的使命及び役割に係る自己規律の維持及び向上により、暗号資産取引業に対する信頼を確保することを目的とします。

次回からはこれらの規則の詳細を紹介します。

(次回へ続く)