今回は日本型DXのうち行政DXの3回目として、「教育DX」について述べる。文部科学省では、「新たな日常」としてのポスト・コロナ、更にはその先の未来社会においても、デジタル化促進の重要性は日に日に増してゆくと想定される。こうした中、「未来省」である文部科学省が担う教育や科学技術イノベーション、文化芸術、スポーツの各分野において、高まる新たなニーズや期待に随時機動的に応えつつ、ポスト・コロナ期のニューノーマルに的確に対応していくために必要なDXに係る取組を早急かつ一体的に推進するとしている。
●教育分野ではGIGAスクール構想を中心に推進
一人一台端末の活用をはじめとした学校教育の充実を図ることとし、義務教育段階の一人一台端末環境が2021度末までに実現することを踏まえて、ハード・ソフト・人材が一体となった取組を教育再生実行会議等の議論も踏まえつつ、一層加速することにより、子供たち一人一人の多様な実情を踏まえ誰一人取り残すことのない学びの実現に向けた取組を推進する。図1にGIGAスクールを中心とする教育DXの推進体制を示す。
大学では、デジタル技術の大胆な取り入れにより、地理的条件を問わず、国際的な教育機会を享受できる機会を拡大するとともに、海外の学生・教員とのネットワークの継続的な確保を可能にし、国際競争力のあるハイブリッド教育環境を実現する。また、デジタル化の担い手となる人材を育成するための取組や、大学入学者選抜におけるデジタル活用を進める。
生涯を通じて誰もがいつでもどこでも学ぶことができるよう、インターネットを活用して、生涯学習・社会教育の学びの機会などのデジタル化を推進する。
図1.GIGAスクールを中心とする教育DXの推進体制
●科学技術DX分野では3本柱を中心に推進
推進にあたっては、デジタル庁をはじめとした関係府省のほか、アカデミア、産業界、関係自治体等との連携を通じ、デジタル社会の早期実現とさらなる高度化に貢献する。
【1】デジタル社会への最先端技術・研究基盤の活用
【2】将来のデジタル社会に向けた基幹技術の研究開発
【3】研究環境のデジタル化の推進
●「新たな日常」における文化芸術・スポーツ、行政システムのDXの推進
文化芸術立国の実現を図るため、国民一人一人が「いつでも・どこでも・何度でも」気軽に文化芸術に触れることができる社会環境を整備していくことが必要であり、そのためには文化芸術分野におけるDXの実装を集中的に実施することが効果的であるとしている。
プロフィール
1954年、福岡県生まれ。京都大学理学部(宇宙物理学科専攻)卒。日本アイ・ビー・エム株式会社、日立エンジニアリング株式会社、株式会社アスキー等を経て、株式会社インターネット総合研究所等を設立し、現職。96年、東京大学より工学博士号を取得。現在、SBI大学院大学学長、東京大学大学院数理科学研究科連携客員教授。
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