五十嵐 幹 株式会社クロス・マーケティンググループ 代表取締役社長兼CEO
アジア№1のマーケティングカンパニーを目指す

「現在、中国、タイを始めとするアジア、ヨーロッパ、アメリカなど12カ国へ進出していますが、まずはアジアNo.1のマーケティングカンパニーになることを目指しています。そこに向けて、多彩な国籍の仲間がもつ多様な価値観を掛け合わせてチームをつくり、自然と組織にイノベーションが生まれる成長企業にしていきたい」。株式会社クロス・マーケティンググループの五十嵐幹代表取締役社長兼CEOは取材に対し、爽やかにこう語った。

リサーチからマーケティング支援まで

—— 事業内容について教えてください。

五十嵐 当社は、成長戦略としてトータルマーケティングソリューションを掲げ、その実現に向けて事業を展開しています。現在の事業の柱は、創業時から提供している、マーケティングリサーチです。これは、「商品やサービスが売れない」「商品やサービスをどう普及させるのか」などのマーケティング課題に対し、その解決の糸口をつかむために、生活者から意見を集めて、それを科学的に分析し、経営の意思決定に使っていただくというものです。

また、リサーチの結果を生かしたITソリューションも提供しています。具体的には、スマートフォンを中心としたアプリ開発やウェブ制作、アクセス解析ツールの提供などです。そのほか、お客様の商品や製品に関心をもってもらい、そのウェブサイトに送客する、マーケティング支援サービスなども行っています。これらのサービスを、日本を含む世界12カ国で提供しています。

グローバル企業が展開する中国は注目すべき市場

—— 中国に進出されていますが、中国マーケットをどのように見ていますか。

五十嵐 中期的に世界最大の市場になっていくことが見込まれている中、今後、当社がマーケティングカンパニーとして成長するためには、日系企業だけでなく、欧米企業を含めたグローバル企業のお客様に、どういう形で中国市場にナビゲートできるのかが重要になってくると考えています。

つまり、特に当社の拠点がある12カ国、シンガポールや香港、またはアメリカ、イギリスなどからグローバル企業が中国市場に進出し、商品開発の方向性やマーケットにおける商品・サービスの需要を把握することが必要になった時に、中国の市場環境を把握しているもしくは把握する方法を提案でき、その結果を踏まえたマーケティングまでサポートできることを求められるからです。そのため、当社にとっても、グローバル企業が注目する中国は、非常に重要なマーケットであると認識しています。

中国でのビジネスは正確な市場把握がポイントに

—— 海外、特に中国へのビジネス展開をどのようにお考えですか。また、課題は何ですか。

五十嵐 現在、当社はアジアNo.1のマーケティングカンパニーを目指しています。この基本方針に沿って拠点展開を進めており、アジアNo.1ということはアジア地域の各国に拠点がある、インフラが整っているということです。それを踏まえ、2015年は、タイに展開しました。

アジアNo.1を目指す上で、先ほどお話したように中国市場は非常に重要ですが、一方で、中国市場をどのように理解するかが課題だと思っています。人口14億人の広大な中国をひとくくりで語ってよいものなのか悩みます。中国関連の案件を扱うと、地域によって市場環境が異なることを強く感じます。だからこそ、中国の生活者を深く理解し、それを正確に把握することが中国ビジネスにおいて大切なポイントになってきますし、そのお手伝いをすることが、私たちが提供しているマーケティングリサーチだと思っています。

優秀な中国のパートナーと一緒に仕事がしたい

—— 今後の展望についてお聞かせください。

五十嵐 グローバル展開を進めていく中で、当社はよりよいパートナーを探しています。一緒に働くことで、その国の人を理解できると思いますし、その国ではその国の人がリーダーシップを取るべきだと考えています。もちろん、中国でビジネスを行う際も同様です。グローバルでビジネスをするなかで、幅広く様々なキャリア形成ができる環境を整えていますので、優秀な中国の方にもぜひとも当社の事業に参加していただきたいと思っています。