中国はすでに世界最大の言語バンクを構築

 

中国は現在、話されている言語が世界において最も豊富な国で、シナ・チベット語族、アルタイ諸語、オーストロネシア語族、オーストロアジア語族、インド・ヨーロッパ語族の5大語系の130種類以上の言語が話されている。また、中国語の10大方言のほか、数え切れないほどのパトワ(ある地域の標準語や有力言語に対する方言や少数言語全般を指す用語)がある。どの言語も人類の貴重な財産で、そこには素晴らしい文化が豊富に詰まっている。

中国教育部と国家語言文字工作委員会は2015年、「中国言語資源保護プロジェクト」を始動し、国家共通語・文字の推進・普及の展開に力を入れると同時に、中国語の方言や少数民族の言語資源の科学的保護にも取り組み始めた。

「中国言語資源保護プロジェクト」では350機関以上の1000チーム以上、専門技術者4500人以上、インフォーマント約9000人が、調査ポイント1712カ所の言語、方言、口承を網羅的に調査、記録、描写したほか、音声データなどの収集、整理も行った。

その他、「中国言語文化収蔵」シリーズ、「中国の危機に瀕する言語志」シリーズなどが相次いで出版された。世界最大規模の言語リソースがスムーズに立ち上げられ、1000万件以上のリソースが収録されている。

 

普通話普及率が中国全土の80.72%に

国家語言文字作業委員会によると、近年、中国の言語・文字教育が強化され、普通話(標準中国語)の普及率が向上していることで、各民族の交流、融合が強力にバックアップされ、貧困脱却の難関攻略にも多大に寄与している。

現時点で中国全土の普通話の普及率は80.72%に達しており、2000年と比べると27.66ポイント上昇した。貧困グループの交流能力も強化されており、起業したり、就職したりして豊かな生活を送りたいという願望がさらに強くなり、職業スキルも目に見えて向上している。

 

北京図書ビルで新発売の「新華字典」を買い求める市民

その他、2020年以来、国家語言文字作業委員会は「国家言語サービス・粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深圳、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)言語研究センター」や「シルクロード言語文化研究センター」、「中国東北アジア言語研究センター」などを設置し、共同イノベーション、チームビルディング、サービス能力を強化して、国の発展戦略にサービスを提供している。

 

世界最大規模の多言語用語バンクを構築

来年2月に開催の北京冬季五輪まで残り100日となった10月27日、五輪組織委員会は「冬季五輪競技・種目名詞」を発表したほか、第3版の冬季五輪用語プラットホームを一般公開した。

国家語言文字作業委員会によると、北京冬季オリンピック・パラリンピックの全ての競技の種目の名詞が収録されており、中国語、英語、フランス語、日本語、韓国語、ロシア語、ドイツ語、スペイン語の8カ国語をカバー。世界最大規模の冬季五輪競技の多言語用語バンクとなっている。