キャンプが若者の間で人気となっている理由

 

国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせて7連休となった1日から7日、微信(WeChat)のモーメンツでは、「テント」や「キャンプ」といったキーワードを見かけたという人も多いのではないだろうか。旅行情報メディア・馬蜂窩の7連休前の統計では、「キャンプ」の検索回数は、「ドライブ」に次ぐ2位。ショッピングサイト・天猫では、9月のキャンプ系商品の売上高が前年同期比50%増となった。ではなぜキャンプがこれほどの人気になっているのだろうか。

 

気晴らし―新鮮味あるキャンプが人気に

7連休中、趙さん(女性)は普段暮らしている南京で過ごすことにし、友人たちとどこに遊びに行くか調べていたところ、小紅書などのSNSではキャンプが大人気となっていることを知った。そこで、江寧区にあるキャンプ場を予約した。予約したのはキャンプセットで、テントで1泊できるほか、おやつや夕食、朝食、キャンプファイヤー、屋外映画といったサービスも含まれていた。

趙さんは、「新型コロナウイルス感染症の影響で、今年は遠くに遊びに行く計画は立てなかった。7連休中はどこに行っても人だらけで、人気の観光地はだいたい大混雑している。私も友人も、キャンプは、リラックスして気晴らしするのに最適で、新鮮味もあると思った。実際にキャンプをしてみて、とても満足。キャンプに来ている人の多くが若者で、新しい友達もできた。おいしいものを食べて、遊んで、思い出の写真をいっぱい撮った。テントで泊まるのも思ったより心地よかった」と話す。

 

「オシャレ」なレジャー

草地で適当な場所を探してテントを張り、レジャーシートを敷いて、ハンモックを設置するというキャンプは昔からある。では、なぜ今になって、キャンプが突然、「オシャレ」なレジャーになったのだろうか。

趙さんのようなキャンプ体験は、「プチ贅沢キャンプ」と呼ばれ、キャンプ場がテントや食事、シャワーなどを用意してくれるのがその最大の特徴であることが分かった。

キャンプ客は着替えなどを詰めたバッグ一つでキャンプ場に行くことができ、ホテル並みのサービスやアウトドアを楽しむことができる。

 

キャンプ人気の本当の理由はその社交性

周辺の観光地の特徴に合わせて、温泉や水上スポーツなどとキャンプを組み合わせているキャンプ場も多い。

キャンプ場を管理する姚健さんは、「キャンプ場はウィンウィンのスタイルで観光地と提携しているため、観光地にレンタル料金や管理費を支払う必要はない。収益は一定の割合で山分けすることになっている」と説明する。

ただこのように商業化されたキャンプの人気が続くかは、消費者にかかっている。姚さんは、「都市から来る親子連れや独身の男女などに、気晴らしできる社交の場を提供するというのが商業化されたキャンプのコンセプト」と話す。

最近、ショッピングサイト・淘宝とSNS・Soulが共同で発表した「Z世代(1995年代後半から2009年生まれの世代)キャンプ式社交白書」も、「キャンプ式社交」が若者、特に「95後(1995年から1999年生まれ)」に人気になっている理由として、「都市から離れて自然に触れることのできるキャンプを通じて、若者はプレッシャーがない状態で自然な交流をして、高い質の社交関係を築くことができるから」と指摘する。

趙さんは、「社会人になってからというもの、毎日会うのは同じ人ばかり。新しい友達を作る機会がない。『キャンプ式社交』はとても良く、今回のキャンプでも、初めて会った人と手をつないでキャンプファイヤーを囲んで歌を歌ったり、ダンスをしたりして、久しぶりに気晴らしができた」と話している。