「上海市生活ゴミ管理条例」が施行
ゴミ捨て代行が新たなビジネスに

「上海市生活ゴミ管理条例」が施行され、ゴミ分別に対する注目度は日満しに高まっている。条例の規定によると、個人が分別を行わずにゴミを捨てた場合、最高で200元(約3100円)の罰金が科され、事業者が分別せずに投棄運搬した場合は最高で5万元(約77万6100円)の罰金が科されることになっており、同条例は「史上最も厳しいゴミ分別措置」と言えるだろう。


ごみ分別に関する知識の普及活動(上海)

「怠け者」たちも行動を開始し、最近周囲で最も頻繁に話題になっているのは一部の「奇妙な」生活ゴミをどうやって分別するかということだ。

さらにネットでは、「これじゃあタピオカミルクティーすら心ゆくまで飲めないじゃないか!」と泣き出さんばかりのコメントを寄せるネットユーザーもいる。

というのも、タピオカミルクティーの捨て方をまとめてみると、まず飲み終わっていないミルクティーを捨て、それからタピオカを生ゴミ入れに捨て、コップはゴミ箱へ…という手順になるからだ。ポイッと捨てればよかったこれまでと比べると、いくつものステップが増えたことになる。

こうした手順を知り、「もういいよ、飲むのをやめる…」、「ミルクティー断ちする」と恐怖に震え上がった声をあげるタピオカミルクティーのファンも少なくない。

ただ、留学生や海外帰国者などは、「こんなのどうってことない。きれいに洗ってから捨てろとは言ってないじゃないか」と平気な様子。ゴミ分別という「試練」にも彼らは「なにしろ自分たちは『地獄的な分別』を経験しているからね…」と怖いものなしなのだ。

 

「変態」的に厳しい日本

周知の通り、日本のゴミ分別の難しさは「大魔王」級と言っていいだろう。

日本のゴミ分別ルールは実に細かく、ほとんど「変態」的な厳しさだ。一般の生活ゴミを可燃ゴミと不燃ゴミに分別するほかにも、資源ゴミは清潔なプラスチック、紙、古新聞雑誌、古着、ペットボトル、缶、ガラス瓶などに分別する必要がある。

さまざまな種類のゴミごとに、日本の自治体はそれぞれ収集日と時間を決めている。毎日収集されるゴミの種類が違い、しかも通常ゴミ収集は朝8時半には終わってしまう。

これはつまり、朝寝坊してうっかり収集時間を過ぎてしまったら、ゴミとまた一週間一緒に暮らさなければならないことを意味する。

ゴミの分別を間違えると、収集員は収集を拒否できるだけでなく、ゴミを袋から出してどの家が捨てたものかを確定し、罰金を取り立てに行くことまでできる。

 

しっかりしている韓国

韓国のゴミ分別も比較的しっかりしており、日本とよく似ている。

韓国のゴミ分別は「一般」と「リサイクル可能」、「生ゴミ」の3種類に分かれている。そのうち生ごみの処理は面倒だ。週のうち捨てる日が決まっていて、夏の暑い時期には異臭を放ちやすいからだ。そこで、生活ゴミを冷蔵庫に保存する主婦が現れた。そのため韓国では生ゴミ用冷蔵庫なる商品まで登場しているという。

韓国も日本と同じように、ゴミを種類別に指定されたゴミ袋に入れる必要がある。これらのゴミ袋は自治体の規定の下で統一生産されており、異なる色と規格があり、その値段も安くはない。

特筆に値するのは、日本と韓国は生ゴミなどに対して「袋から出しておく」ことは求められておらず、袋の表面を清潔にしておけばよいという点だ。

飲料の分別にも注意点が多い。例えば韓国の街中にあるカフェで冷たいドリンクを頼んだ場合、氷と残りのドリンク、ストローとカップ、カップホルダーは別々に捨てなければならない。

飲むヨーグルト1杯の場合でも、そのカップをきれいに洗って乾かしてから、規定に従って捨てなければならない。

もし規定に違反して適当に分別した場合は罰金が科される。1回で少なくとも10万ウォン、円に換算するとだいたい9000円以上が飛んで行くことになる。

さらに恐ろしいのは、罰金は違反回数が増えるにつれて高くなっていく点だ。


ごみ分別に関する知識の普及活動(上海)

「ゴミ捨て代行」が新職業に

この間、ゴミの分別間違いや未分別を理由に、浙江省杭州市江乾区の張さんは都市管理当局から50元(約780円)の罰金を科された。江乾区においてゴミ分別規定違反で市民が処分されたのはこれが初めてだった。先週、火鍋チェーン「海底撈」の紹興路店は、ゴミ分別規定違反により、危うく「ゴミ収集拒否」に遭うところだった。生活ゴミ処理全体の流れにおいて、分別と排出は第一段階であり、この段階でしっかりやっておかなければ、後に続く収集運搬、利用、処理の段階で多くの面倒な作業が発生することになる。

ゴミ分別の実行に関しては、定時収集も実行が可能だ。例えば、上海では今年7月1日からゴミ分別定時定点排出の試行が予定されている。しかし、もし収集時間に間に合わなかった場合、ゴミを家にためておいて次の収集日に捨てるしかない。時間の問題でゴミが捨てられない住民もいるため、そこにビジネスチャンスを見いだし、ゴミ捨て代行サービスを提供する業者も現れている。市民が出かける前に袋に入れたゴミを家の外に置いておくと、収集担当者が毎日午前中の決められた時間に来て回収していくのだ。サービス料金は1回につき1元(約15円)だという。このほか、支付宝(アリペイ)が新たに始めた「易代扔」サービスは、家電デジタル機器回収や生活ゴミ収集、粗大ゴミの代金支払い回収など訪問回収サービスを提供している。昨年下半期、杭州市余杭区も「虎哥」社の乾燥ゴミ訪問収集を導入し、毎日乾燥ゴミを250トン以上収集しており、資源化利用率は95%を超えている。

ゴミ分別習慣の育成には長い時間がかかる。多くの先進国はゴミ分別収集が根付くまで数十年の時間を要しており、しかも国内の多くの都市は今まさに都市化プロセスにあり、人口流動性が高く、住民の素養もまちまちであり、効果を上げようと思ってもそう簡単にはいかない。この取り組みをしっかりと行うには、住民をしっかりとチェックするだけでなく、創意工夫をして、その土地に適した良い方法をもっと考えるという手もあるのではないだろうか。