データで読み解く中国女性のQOL

「自立心旺盛物腰柔らか」や「洒落謙虚」、「剛毅冷静沈着」といった言葉が、次第に、中国女性の代名詞になりつつある。中国女性の生活環境や生活の質(QOL)は、もはやこれまでとは比べものにならないほど向上している。3月7日に開かれた中華全国婦女連合会で発表された全国規模の統計データから導き出された十項目の事実から、中国女性関連事業の明らかな進歩を伺い知ることができる。

 
四川省の峨眉山で茶摘みをしている女性たち

女性の平均寿命が延長

中国人の2015年の平均寿命は76.34歳と、2010年比で1.51歳延びた。このうち女性の平均寿命は、2010年の77.37歳から79. 43歳と、2.06歳延びた。

 

妊産婦死亡率が低下上昇する健康レベル

中国における妊産婦死亡率は、2010年の人口10万あたり30人から、2015年には20.1人に低下、中国婦女発展綱要の目標と国連ミレミアル開発目標を予定より早く達成した。農村における対象年齢女性の子宮頚がん検診の受診率は、2012年の89.6%から2015年には90.8%に、前がん病変検診の受診率は、2012年の75.0%から2051年には95.9%に、それぞれ上昇した。また、乳がん検診および前がん病変検診の受診率は、2012年の71.2%から2015年には99.1%に上昇した。

 

運動を習慣とする女性の割合

2014年に実施された全国民における健康運動状況調査の結果によると、年齢20歳以上の全国の女性のうち運動の習慣がある人の割合は2007年の7.5%から15.1%まで上昇した。

 

高まる女性の大学進学率

2015年の大学進学率は40%と、2010年比13.5ポイント上昇した。2015年、高等教育のうち、大学院で学ぶ女性の割合は、大学院生全体の49.7%を占め、2010年比1.8ポイント上昇。普通大学学部高級職業学校(専科)全日制に通う女子学生は1376万人、学部生全体の52.42%、2010年比1.56ポイント上昇した。

 

多様化する女性の起業と就職

「大衆創業万衆創新(大衆の起業万民のイノベーション)」の分野で、女性が才能を華々しく開花させている。インターネット業界で起業した人のうち、女性が55%を占めている。この5年間で、各級各種の女子大生起業実践基地が全国で約1万3000カ所設立され、延べ約50万人の女子大生が各基地で就職起業した。また、女性ハンドメイド織物編物基地が約5000カ所設立され、330万人以上が就職すると同時に、就職難問題を抱える女性約1000万人は柔軟性の高い在宅による業務が可能となった。

 

農村女性の土地権益保障

2016年末の時点で、全国22省(自治区直轄市)が、農地請負経営権の所有権確定登記権利書発行業務をめぐる試行推進業務を展開した。また、27省(自治区直轄市)が通知文書を発表し、農地請負経営権の所有権登記簿および権利証上に、女性を含む世帯員全員の氏名を記載するよう求め、法律規則に基づく農村女性の土地請負経営権、宅地使用権と集団収益分配権の徹底した施行を保障し、女性の土地権益保護をスムーズに進めるルートをの確保に尽力した。

 

女性の貧困状態が大幅に改善

2015年、中国農村における貧困人口は、2010年比で1億1000万人減少、うち半数は女性が占めた。2015年、全国都市農村で「低保(最低生活保障制度)」と「農村特別貧困層支援プログラム」の適用対象となった住民は7127万人に達し、うち女性は2609万人以上で、全体の36.6%を占めた。

 

企業女性管理職の割合が上昇

2015年、企業で董事を務める女性の割合は22.5%、2010年比で5.4ポイント上昇。また、女性監事の割合は26.3%、同3.8ポイント上昇した。女性董事が占める割合は38.4%、2010年比5.7ポイント上昇、女性監事が占める割合は38.9%で、同3.7ポイント上昇となっている。

 

女性の権利保護意識と能力

2015年、「万家連動、送法到家、活動在家(全家庭が連携し、法意識を家庭に持ち込み、家庭で活かす)」をテーマとした法律普及講座や臨時相談窓口、法治文化イベントなどの各種活動が65万回以上実施され、司法官や検察官、弁護士など約96万人の権利保護活動ボランティアが参加、延べ8300万人の女性をカバーした。32万8000カ所の「女性の家」では、「全家庭による行動、法意識を家庭に持ち込む」をテーマとして、2580万の女性に対して、「法を学び、法を守り、法を活用する」大切さを啓蒙した。

 

各種ルートで法的援助と訴訟費用支援を獲得

2015年末の時点で、全国に省県3レベル政府の法律援助機関3739カ所が設立されており、2010年比166カ所増加した。5年間で累計延べ153万人の女性に法律援助が提供された。2015年、全国2009カ所の保護シェルター(避難施設)が、家庭内暴力の被害を受けた延べ9147人の女性子供を保護救済した。