「90後」独身者の結婚と恋愛事情

「90後(1990年代生まれ)」が今や、結婚話の中心となる年齢となってきており、女性の場合は23歳以降、男性ならば25歳以降の結婚が、「晩婚」のカテゴリーに入っている。国内の著名婚活サイトが「独身の日」(11月11日)に、「2017年独身者調査報告No.3」を発表し、結婚恋愛をめぐる「90後」の新たなすう勢を明らかにした。今回の調査は、同サイトの会員1億1000万人を対象にしたオンライン方式のサンプリング調査で、有効サンプル数は7329件。報告によると、「脱独身」は「90後」の独身者にとって最重要任務であり、「90後」の独身者は「オタク」が大多数を占め、映画やドラマにハマることが主な気晴らしになっている。また、「90後」の独身者が何よりも好きなことは「爆買い」と「爆食い」で、「生活が充実している」グループが最も多い都市は北京だった。

 
吉林省の延辺で行われた結婚式

最大の願いは「脱独身」

結婚適齢期に突入する「90後」がますます増えている。調査によると、独身者のうち「90後」が占める割合は43%に達し、「80後(1980年代生まれ)」の39%や「70後(1970年代生まれ)の15%を上回るまでとなり、2016年に比べ大幅に増加し、だんだんと恋愛結婚の主力軍となりつつある。

「90後」の独身者に対し、「現在の最大の願望は何か」という掘り下げた質問を行ったところ、「脱独身」という答えが約4割と最も多く、、「金儲け(20.31%)」、「旅行(15.86%)」、「起業(10.35%)」、「学業を極める(6.68%)」がこれに続いた。「脱独身」がすでに、「90後」の単身者にとっての最優先任務となっている。

 

主な気晴らしは映画やドラマ

理想はとても充実しているようだが、現実は厳しい。そのような特徴のある独身男女は、「脱独身」を達成することを切望しているが、実際の行動は、その願望実現には全く見合っていない。珍愛網の調査によると、学習や仕事の余暇時間について、「90後」の独身者の68.28%は、「家で過ごす」と答え、「90後」独身のオタク族がもっとも好む時間の潰し方は、「映画鑑賞」がトップで、「連続ドラマの鑑賞」、「音楽鑑賞」、「読書」、「家事」、「ゲーム」、「バラエティ番組鑑賞」、「フィットネス」、「残業」、「SNS」がこれに続いた。

また、「90後」独身者の3割は、「家にいることを好まない」と答え、彼らの主な余暇の過ごし方は、「街でショッピング」と「会食」がトップとなり、「映画鑑賞」、「戸外スポーツ(サイクリング登山キャンプなど)」、「フィットネス」、「趣味の活動」、「カラオケ」、「講座や展覧会に参加」、「あちこちに出かけて写真を撮る」などがこれに続いた。

 

変化する「脱独身」方法

「90後」のライフスタイルがますます「オタク化」するにつれて、彼らの交流スタイルも、「職場中心」と「インターネット中心」の方向に変化している。統計データによると、各種社交スタイルの中で、「職場での交流」を第一選択肢とする「90後」の独身者は31.85%、「インターネットを介した交流(23.33%)」と「集まりを利用した交流(16.64%)」がこれに続き、「90後」が「仕事」に投入する時間は増加の一途をたどっている状況が見て取れる。

調査によると、「70後」と「80後」が、親戚や友人を介して相手と知り合う傾向が高いことに比べ、「90後」の独身者の76.14%は、「SNS、交友サイト、婚活サイトなどで知り合い、『脱独身』を目指す」と答えた。このうち過半数は、「インターネットというツールを介して、本当の友人を得て、交際のプロセスで自主性を保ち、ネットワークを通じて共通の趣味を持ち、価値観が一致する素晴らしい相手に出会うことを期待している」としている。

 
「520」は「我愛你」(愛している)と発音が似ているため、5月20日に多くの人が結婚登録している

相手への条件

調査によると、「90後」の結婚相手に求める条件は、男女でかなり異なる。女性は、「相手の年齢は自分より3歳から5歳年上、身長は10センチから15センチ高く、しし座で広東出身の男性なら大歓迎、月収は最低8000元(約13万4581円)」としている。月収については2016年調査よりさらに条件が厳しく、3000元(約5万468円)上がっている。また、「90後」の女性は、相手の家庭の経済状態が自分の家より良いことを望み、マイホームは結婚の必須条件としている。一方、「90後」の男性が相手に求める条件は、年齢が自分より1歳から3歳年下で、身長は自分より5センチから10センチ低く、てんびん座で四川出身の女性が望ましく、相手の収入や実家の経済状態について特に条件はなく、マイカーやマイホームの有無は結婚に大きな影響はないと考えている。

また、報告によると、「90後」の独身男女の8割は、恋愛中の「割り勘」には反対の立場を取っていた。「男性がほとんどを負担し、女性はごく一部出すことに賛成」が69%に達し、「全額男性が出すべき」は12%、「恋愛中の出費はすべて割り勘にすべき」は19%にとどまった。

 

スピード婚はNG

「90後」はこれまで、「強い個性」、「開放的な考え方」、「物珍しいものをすぐに受け入れる」グループの代表だと見なされてきた。だが、「90後」がこれらのラベリングにそのまま当てはまる訳ではないことが、統計データから明らかになった。調査によると、「90後」の約7割は、「スピード婚」を受け入れるとしているが、このうち半数以上は、「他人のスピード婚は理解できるが、自分はしない」と明確に答えている。また、「自分がスピード婚をすることはあり得ない」と答えた女性は58.58%に上ったのに対し、男性は46.09%にとどまった。

結婚前の同棲については、「90後」の過半数は「希望する」と答えた。このうち、「正式に結婚する前にお試し同居を希望する」とした男性は80%、女性はわずか43%だった。