9割の若者が両親との意思疎通に問題

中国青年新聞社社会調査センターと問巻網はこのほど、18歳から35歳までの若者2001人を対象としたアンケート調査を実施した。これによると、若者の93.0%は、「両親とのコミュニケーションがうまくいっていない」と答え、うち9.5%は、「コミュニケーションの欠如がかなり深刻」としている。親子の共通の話題としては、「子供の学習・仕事をめぐる状況(57.2%)」、「子供の日常生活(55.5%)」、「両親の健康・生活状況(53.0%)」などが挙がった。「根気強く、できるだけ多く両親との意思疎通を図るべき」と考えている若者は69.8%に上った。

調査に回答した若者の男女比は、男性が49.4%、女性が50.6%だった。

 

両親との意思疎通に問題

天津南開大学4年の孟奇さんも、「両親とのスムーズな意思疎通はとっくの昔になくなっており、今はほとんど何も話さない。普段は、必要最低限のことしか話さないし、会っても元気かどうか確認する程度だ。僕は最近、大学院入試の準備でさまざまな問題やストレスに直面しているが、悩みを相談する相手は、両親ではなく友人だ。両親に話しても、細かいことが全く分からないだろうから」と語った。

今回の調査で、「両親とのコミュニケーションがうまくいっていない」と答えた若者は全体の93.0%に達し、このうち、「コミュニケーションの欠如がかなり深刻」とした人は9.5%。このほか、意思疎通が「やや欠如している」は51.0%、「あまり欠如していることはない」は32.5%、「意思疎通の欠如は一切ない」と答えた人はわずか7.0%にとどまった。

鄭州市の某公立病院で医師として働く黄静さんは、仕事を始めて1年が経過した。普段は、何かあったら、すぐに微信(Wechat)で作った「家族グループ」に報告し、週末になると必ず両親に電話する。「仕事のことをちょっと話すほか、面白いことがあったときには両親に知らせる。また、両親の日常生活についても話したりする。母は腰痛の持病があるので、毎回電話するたびに、腰のケアに関する方法や薬に関する情報を母に教えている」と黄さんは話した。

両親とのコミュニケーションでの主な話題は、「子供の学習・仕事をめぐる状況(57.2%)」、「子供の日常生活(55.5%)」、「両親の健康・生活状況(53.0%)」だった。このほか、「自分の考え方や観念について(41.9%)」、「自分の趣味・嗜好(25.8%)」、「実家での耳よりの話やエピソード(22.1%)」、「深いレベルでの思想問題(13.5%)」、「エンタメ・ゴシップに関すること(13.4%)」、「国家をめぐる問題(12.2%)」などが挙がった。

 
スマホに夢中な若者たち

両親との意思疎通を図るべき

天津南開大学4年の孟奇さんは、「両親のことが嫌いというわけではないが、ときどき両親の愛を重荷に感じ、息苦しくなることがある」と話す。「両親は、相手の立場に立って物事を見るということが苦手で、経験者としての立場や視点で善悪を判断する。小さなことから大きなことまで、学習・生活面における全てのことに関して、常に両親の言う事に従わなければならなかった。僕だって、自分自身の考え方や興味のあることについて両親と話し合いたい。だが、両親が僕の言うことに耳を傾けることは基本的になく、私を理解しようという気持ちなど毛頭ない。『お前はまだ子供なのだから、何も分からない。私たちがお前に悪いことを言うわけがない。すべてはお前のためと思ってのことだ』と口癖のように繰り返している。そうしているうちに、両親と腹を割って話す機会はどんどん減っていった」と孟さんは続けた。

子供と両親の間でスムーズな意思疎通ができない理由は何なのか。調査によると、54.5%の若者が、「考え方の違いから、両親との意思疎通が難しくなった」と答えた。このほか、「両親が自分の生活を理解できるよう、上手なコミュニケーションをとることができなかった(51.8%)」、「両親の考え方や見解が古臭く、新しい物事を進んで受け入れようとしないから(42.7%)」、「子供が自己中心的すぎて、両親の考えをまったく考慮しないから(39.1%)」、「両親は些細なことを指摘するだけで、肝心な点を見落している(37.2%)」、「両親の物の言い方が押し付けがましく、子供は反感を抱いてしまう(23.6%)」などの理由が挙がった。

孟さんは、「僕と両親のように、コミュニケーションが欠如した状態が長時間続くと、こじれた関係が複雑に絡み合い、その結び目がほどけなくなり、断ち切ろうしても切れなくなってしまう。我々は互いに相手のことが気になっているが、愛情を相手に伝える手段を見失ってしまった」と話した。

黄さんは、高校3年の時、母親との関係が非常に険悪になったという。彼女はこのことについて、「当時、母も私も主張が強すぎて、相手の言うことを絶対に聞こうとはせず、口を開けば喧嘩が始まるという状態だった。だがその後、働き始めた私は、生活や自分自身に対する考え方がやや成熟したようで、両親とふたたび話をするようになり、自ら進んで両親と意思疎通を図るようになった。私は多くの人を例に挙げ、特に両親が知っている人を取り上げ、時代の変化に伴い、考えを変えていくべきだと両親に話した。このようなやりとりを繰り返していくうちに、両親は、自分たちの考えが旧態依然のものだと気づくようになった。それと同時に、考え方を少しずつ変えることができるようになった。それに伴い、私たちのコミュニケーションの壁もどんどん取り除かれていった」と話した。

「両親との意思疎通における壁を取り除く方法」について、69.8%の若者が、「根気強く、できるだけ多く両親との意思疎通を図るべき」と答えた。このほか、「共通認識を探す努力が必要(57.8%)」、「両親とのコミュニケーションにおいて、異なる点は気にせず、互いの共通点を見つけるよう努める(52.6%)」、「両親が現代社会を理解し、適応するようサポートする(37.2%)」などの意見が挙がった。