独身たちはなぜ「結婚」を恐れるのか

急激な変化を遂げている中国の都市において、恋愛・結婚にまつわる圧力、迷い、いざこざは一体どこから来るのだろうか。婚活サイト「珍愛網」が、5月20日の「告白デー」を前に、全国9000万の会員を対象としたサンプリング調査を実施した。この調査結果から、「恋愛恐怖族」の心の奥底に、少しでも近づくことができるかもしれない。

「恋愛恐怖症」の症状

都市に住む人々の中には、恋愛に憧れを抱き、恋愛関係を求めると同時に、恋愛に対して恐怖心を抱いている人も相当いることが、今回の調査から明らかになった。このような「恋愛恐怖族」のうち、「愛そのものに疑念を抱いている」と答えた人は45.7%、「自分が愛を捧げても見返りがないかもしれない」と恐れを抱く人は43.8%、「恋愛関係が長く続かない」ことを心配する人は41%、「安心感が持てない」が31.8%、「個人的な時間や空間が無くなる恐れがある」が30%だった。

これらのデータから、「傷つくのが怖い」「見返りがないことが心配」「いつかは相手を失う」という3つの心理状態が、恋愛恐怖症の主な症状であることが判明した。恋愛恐怖群のうち、「以前に恋愛で心に傷を負ったことがある。愛に対して疑いを持っている」と答えた男性は67%を占め、「こちらが愛を捧げても見返りがないことが怖い」とした女性は73%に上った。

「恋愛恐怖症」の原因

統計データによると、回答した男女の5割以上が、「こちらが一方的に愛を捧げるだけで相手は受け取る一方という恋愛関係は受け入れられない」と答えた。また、「全く味気ない、無意味な恋愛関係は受け入れられない」とした人は4割を上回った。恋人同士が最終的に分かれる原因となったのは、「相手の浮気」で、回答した男女の76%は、「相手の浮気が原因で別れた」と答えた。彼らは、このような過去の苦い恋愛体験が、現在の「恋愛恐怖症」の原因であると思っていた。原因の2番目として、「親戚や友人など親しい人の恋愛・結婚の失敗が影響している」との回答が挙がった。

注目すべきは、北京・上海・広州・深圳など一線都市の男性は、相手が自分に求める条件が高すぎることに反感を持つ傾向が高かったことだ。一方、女性が最も不満に感じる男性は、男尊女卑的な態度をとる男性だった。都市に住む女性は総じて優秀となった今、彼女らは自分と同等あるいは自分以上のレベルの男性を人生のパートナーとしたいと思うため、相手に対する条件がどうしても高くなってしまう。だが、このような傾向は、男性側から見ると、気楽に見過ごすことはできない問題だ。特に、大きな仕事上の圧力や経済上の圧力に直面している一線都市の男性にとっては、彼らの人生の伴侶となる女性は、彼らを大いに元気づけるべきであり、決して彼らにさらなる要求や圧力をかけるべきではない。

恋愛恐怖族の恋愛期間

「過去に最も長かった恋愛期間」に関する調査データによると、「恋愛恐怖族」の5割以上は、「恋愛期間が3年以上に及んだ恋愛経験がある」と答えた。「最も長いもので半年」と答えた人は3割だった。半年から3年ごとに恋人を変える恋愛サイクルがある人は、交際を始めて半年以内に「この人とは合わない」と感じた場合、お互いの感情や時間を無駄にしないようにと、恋愛関係を解消するケースが多い。

恋愛期間が3年を過ぎると、恋愛関係は「マラソン」に入る。恋人同士は通常、付き合って3年経った時点で、この恋愛が結婚に発展するかどうかを判断できると考えている。

恋愛恐怖族の言い訳の常とう句

調査から、「恋人がいない状態が3年以上続くと、恋愛恐怖族が新たな恋愛感情を抱くことが難しい」と答えた人は46.6%に上った。しかし、独身者は、さまざまな理由から、恋愛恐怖症という問題を覆い隠している。上海では、独身者の約7割が、「仕事があまりにも忙しい」ことを独身の理由に挙げ、独身恐怖族の常とう文句となり、他都市の独身者が口に出す割合を大いに上回っている。深圳に住む独身者の5割以上は、「過去の思い出を手放せない」と答えた。また、北京の独身者の約6割は、「独身生活を楽しんでいる」とう理由で、恋愛恐怖症問題から目を背けており、この割合は他都市を大きく上回った。広州の独身者の多くは、「交友範囲があまりにも狭い」ことを独身の理由としている。

また、恋愛恐怖症という現象のほか、独身者はあまねく、「地道にコツコツと続ける」「一緒に成長する」恋愛関係を望んでいた。このような傾向は、現代においても、中国伝統の恋愛・結婚観をダイレクトに反映しているといえよう。