中国が世界最大の文化的製品輸出国に


2015年10月、浙江省で開催された『第2回博物館アイデア製品展示会』の様子

国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)統計研究所が3月10日に発表した最新報告書によると、中国が2013年に輸出した文化的製品の総額は601億ドル(約6兆7913億円)に達し、2位の米国279億ドル(約3兆1527億円)の2倍以上で、文化的製品の最大の輸出国となった。

「文化貿易のグローバル化:文化消費の変化——2004~13文化的製品・サービスの世界的推移」と題する同報告書は、世界経済の低迷や、多くの映画や音楽の消費者がインターネット関連サービスに流れているにもかかわらず、04~13年の間、文化的製品の貿易額は倍増した。

同研究所の責任者・シルビア・モントア氏は、「2013年の文化的製品の貿易総額は、2128億ドル(約24兆464億円)と、2004年と比べてほぼ倍増した。文化産業が世界経済において重要な役割を果たしていることがさらに証明された」と説明している。

同報告書によると、米国は文化的製品の最大の輸出国ではなくなったが、それでも依然として同ジャンルの製品の最大の輸入国。また、新興市場の文化的製品の輸出も増加中だ。

同報告書は、文化的製品の市場の動向を分析し、アートや工芸品市場が貿易額トップ10の文化的製品に入り、金のアクセサリーの売り上げ好調に寄与していると指摘している。

2013年、金のアクセサリーの輸出額は1000億ドル(約11兆3000億円)以上に達した。また、オブジェや小さな彫刻、絵画作品などの貿易額も増加しており、13年、アートや工芸品の貿易額において、190億ドル(約2兆1470億円)寄与した。

その他、同報告書はデジタル化が、音楽や映画、新聞などの産業に大きな影響を与えていると指摘。音楽製品を例にすると、2004~13年の間、貿易額が27%減少し、映画製品に至っては88%も減少した。

しかし一方で、オーディオ・ビデオサービス業は全体的に成長を続けている。図書は、一部の地域では今なお重要な文化的輸出製品で、04~13年の間20%増となった。