中国名門校の就職、最も人気は金融業


北京大学

中国教育部直属の大学75校は最近、卒業生の就職状況をまとめた「2015年度就職の質報告書」を続々と発表している。報告書では、就職データのほか、大学生がどのような仕事を選ぶようになっているのかも明らかになっている。

どこで就職するのか

14年の各大学の同報告書によると、卒業生が卒業した大学所在地の省(区・市)で就職するのは一番の選択肢となっている。しかし、今年は、特に北京や上海などの大学で、その状況に変化が見られた。

例えば、北京大学の報告書を見ると、北京で就職した卒業生の割合に大きな変化があった。具体的には、北京で就職した学部、修士課程、博士課程の卒業生の割合がそれぞれ、45.86%、48.84%、47.27%と、いずれも50%を下回った。清華大学でも、15年度の卒業生の約半数が北京以外で就職した。

一方、同じ北京の大学でも、中国人民大学の卒業生は一線都市での就職に集中しており、その割合は59.89%だった。また、同大学の報告書によると、学歴が高いほど、北京で就職する割合が高くなっている。

起業が多いのか

同報告書によると、今年の各大学では、柔軟に就職活動を行っていた卒業生の割合が上昇している。北京大学と清華大学を例にすると、15年、独自に起業するなど柔軟に就職活動を行っていた卒業生の数が両校合わせて全体の31.3%を占める2501人と、14年より550人、17ポイント増加した。

どの業界に就職するのか

就職した業界を見ると、基本的にはこれまでの特徴を引き継いでおり、就職する業界と各大学の得意分野に密接な関係がある。例えば、北京大学、清華大学、復旦大学(上海)、上海交通大学は主に、国有企業に就職している。

具体的な業界では、北京大学、清華大学、復旦大学の卒業生に最も人気なのは金融業界。うち、復旦大学の卒業生のその割合が最高で20.92%だった。

名門校の卒業生の給与は

卒業生の給与については、全ての大学が関連のデータを提供しているわけではない。例えば、北京大学、清華大学、人民大学、北京師範大学の4校のうち、卒業生の給与調査結果を提供しているのは北京大学だけだ。北京大学が第三者機関を通して実施した調査の結果によると、卒業生の平均月収は1万2217元(約22万円)。就活中に希望していた平均1万2958元とほぼ同じ金額だ。

ただ、その他の大学の卒業生の給与は、北京大学を下回っている。例えば、浙江大学の37.5%の卒業生の年収は7~11万元(約133~209万円)の間となっている。