最も価値ある中国ブランドは何か


アリババ

中国の民間調査機関・胡潤研究院は9月17日、「2015年胡潤ブランドランキング」を発表した。テンセントがブランド時価総額2770億元(約5兆2000億円)で、「最も価値ある中国ブランド」首位の座をキープした。ランクインしたブランドの本社所在地を都市別に見ると、二線・三線都市が40%まで占めるようになり、北京・上海・広州・深圳の一線都市が60%を占めた。このうち本社が最も多かったのは北京(57社)、広東(38社)がそのあとに続き、第3位は上海(27社)だった。

BATは軒並みトップ10入り

胡潤ブランドランキングによると、2015年、テンセントの時価総額は前年比33%増加した。昨年第5位だった淘宝は今年第2位に躍進、時価総額は同44%増の2660億元(約5兆円)、入選2年目にして全国ブランドランキングのトップ3に入った。第3位をキープした中国移動(チャイナモバイル)の時価総額は2650億元(約4兆9000億円)、前年比31%増となった。

今年のトップ10を見ると、BAT(中国3大ネット企業=百度、アリババ、テンセント)が軒並みランクインしており、百度は時価総額2500億元(約4兆7000億円)で第4位だった。

胡潤百富董事長兼首席調査研究員のルパート・フーゲワーフ(胡潤)氏は、「BATは今や、最も価値ある中国ブランドとなった。この10年、インターネット企業は強固な基礎を築き上げ、伝統ブランドにとって大きな脅威となっている」と指摘した。

BATのほか、国有4大銀行もブランドランキングのトップ10に入っている。第5位から第8位は順次、工商銀行、建設銀行、中国銀行、農業銀行。また、中国人寿(チャイナ・ライフ・インシュアランス)は、今年唯一、新たにトップ10入りを果たしたブランドだ。

半数を占めた民間企業

中国ブランドランキング10強のうち、民営企業はわずか3社だった。だが、上位200ブランドのうち、民間企業が半数近く(91社)を占めた。昨年より3社減少したものの、時価総額平均は昨年比50%以上増加した。民間企業の時価総額の合計が全体に占める割合は40%に達した。

このほか、今年新たにランクインした企業は26社、うち18社が民間企業で、新規ランクイン企業全体の70%を占めた。新規ランクイン企業の上位3社のうち、2社が民間企業(楽視網信息技術と安邦保険集団)で、これら2社の過去1年の業績は、かなり際だっていた。

業界別で見ると、金融業と不動産業は引き続き、ランクインした企業が最多の業界となった。金融業でランクインした企業は38社、昨年より4社増えた。不動産企業では23社がランクイン、昨年比2社減少した。これら2業界でランクインした企業は、全体の30%を占めた。