日本アニメから学ぶ学習攻略法とは

学校の落ちこぼれだったゲーム・漫画・アニメオタクの中国人青年が、日本のアニメ・漫画から学習の攻略法を学び、米国のいくつもの有名大学から合格通知書を受け取った。

湖北経済学院金融学院金融専攻4年生の李恩成さん(22)は、現時点で世界大学ランキング60位の米国テュレーン大学と41位のメリーランド大学からすでに合格通知書を受け取っている。さらに33位のロチェスター大学や32位のブランダイス大学、12位のジョンズ・ホプキンス大学の1次試験も合格している。

このような優秀な成績を収めた李さんだが、小学校から中、高校時代の李少年にはゲームの2文字しか目に入っていなかったという。高1が終わった時、李さんは高校から1年休学するように勧められた。両親は仕方なく、李さんを地方の高校に転校させ、李さんはそこで1年からやり直しをした。そこでも相変わらずゲームに深くはまっていた李さんだが、2年になると日本のアニメ・漫画を好きになり、ようやくゲーム以外の趣味を見つけた。そして、3年時からは、日本語も習い始めた。しかし、李さんの趣味は、これまで同様学校の授業とは全く関係ないものだった。

大学受験の2カ月前、李さんは真面目に授業を受け、毎日8、9時間、勉強した。夜、家に戻ってからも復習し、9時に寝る前に漫画を読む。そんな生活を続けた結果、李さんは見事、湖北経済学院コンピューター学科に合格した。


ドラえもんと写真を撮っている中国の子供

大学に通いだしてからは、ますます日本のアニメ・漫画に夢中になった。

李さんはコンピューターを使ってプロの漫画家になろうと思った。しかし、ほどなくして自分には漫画家の才能がないことに気付いた。ならば、金融事業を起こして、アニメ産業に投資、あるいはプライベートファンドに参加するのも悪くないと思い立った。李さんは試験を受け金融学院に転部した。大学1年の後期になると、今度は米国を見てみたいという考えが浮かんだ。

ある日ゲームで遊んでいると、突然CFA(国際公認投資アナリスト、米国証券アナリスト)の資格取得広告の画面が現れた。広告を目にした李さんは、海外に行きたければ、いくつかの難しい資格を取得しないと、海外の有名な大学に行けないと考えた。そこで、大学受験を申請すると同時に、CFA(1級)の資格を一気に取得。さらにfrmpart1.afp(金融危機管理分野で最も権威のある国際資格認定書)を取得した後、TOEFLやGMATの試験を受け、 TOEFL102点、GMAT710点の高得点を得た。それに加え、大学4年時の各科目の平均点が90点以上という優秀な成績もあって、大学の「三好学生」(思想・学業・健康ともに優れている学生)の称号や特等奨学金、国家級奨学金を得るとともに、発表した多くの論文の一つがMCM(国際的な数学モデリング競技大会)で1等賞を獲得した。李さんは、見事奇跡の大逆転劇を起こし、これらの優秀な成績と賞状を手にしたのだ。

李さんは、現在の優秀な成績のほとんどはアニメ・漫画のおかげだと結論づけている。その理由は、次の通りだ。

 
ワンピースをテーマにしている中国のデパート

攻略法で少ない労力で大きな成果を

オンラインゲームで遊ぶ際、ゲームの攻略法を見つけることは非常に重要だ。李さんは、この攻略法を調べる「熱心さ」を、勉強の上に置き換えた。試験に参加する時は、まずは先輩が残してきた攻略法を探し、国際資格認定試験に参加する時も、ネットで参加者たちの経験談を探して、独自に試験の分析を行った。結果が証明しているように、このようにすれば少ない労力で大きな成果を勝ち取れる。

 

アニメを描くときの観察力は一生使える

高2の時、アニメ・漫画を描くことを学んだ。アニメ・漫画を描くには鋭敏な観察力が必要だ。この観察力は学習においても効果を発揮した。先生の授業中の解説のプロセスを観察すれば、どこが重要で、何が試験に出るのかが発見できた。専門課程の分析を行う時も、例えば株の動向、データの報告書もこの観察力をもって分析すれば、常に多くの人が気付かないことを発見できた。

 

効率第一、自分の脳を錆びさせるな

李さんは自分が頭がいいとは思っていない。ただし、他の人よりも仕事や学習の効率が良いことは認めている。アニメ・漫画を通じて、李さんは「記憶周期」のメカニズムを理解した。自分の記憶周期内に学習をすれば雑念がなく集中できるため、1日6、7時間勉強することにした。恐らく、他の人が1日中勉強するよりも効率がずっと良いはずだ。