帰国子女ならではの婚活事情

 

なぜ男性の独身者が少ないのか

「男性の参加者が少なすぎる」。イギリスのノッティンガム大学を卒業して帰国した施さんは母親と初めて婚活パーティーに参加した。主催者の提供したデータによると男性、女性の帰国者ともに多かったので、施さんは会場では多くの帰国者男性に会えると期待していたのだが、会場では男性が少なかったので残念だったと語る。

上海市第5回恋愛結婚博覧会では初めて「帰国者専門」枠を設けた。申込者の男女比は1対1.3だったが、実際に来場した大部分は女性の帰国者とその両親で、男性は少なく、また女性たちと交流した男性も少なかった。母親と一緒に参加した白さんは1時間ほど会場にいたが、ほとんど男性と話せず、「男女の比率は同じくらいだと思っていたのに、会場には男性がいない」と大変失望したようすで語った。

では、帰国男性たちはどこに行ってしまったのか。大会事務局の周?珉主任などのスタッフたちは現場を見て、帰国男性たちは帰国者専門の会場には行かず、その他の会場で帰国者ではない女性たちと婚活していたことに気づいた。もちろん、自分自身が来場せず両親だけ参加した人もいる。会場では、年収18万元(約295万円)という好条件の男性の父親の周囲に女性の両親たちが群がっていた。

帰国女性はなぜ帰国男性を逃がしてしまうのか

帰国男性たちがその他の婚活パーティーに行って、帰国者でない女性を探すというのには、いくつかの理由がある。

ある帰国者婚活コーナーの主催者は、「海外で修士や博士の学位を取得したら30歳過ぎになっている。彼らにとっては年齢が問題」と言う。多くの帰国者たちは学業のために適齢期を過ぎてしまう。今回上海の婚活パーティーに参加した帰国者たちは25歳から32歳が多く、33歳から40歳の人たちもいた。

年齢に対しては女性のほうに焦りがある。「帰国女性は年齢が高く、帰国男性の相手を探そうとしても、男性のほうは帰国女性を求めるとは限らない」と周?珉主任は言う。会場でも女性の両親が男性の両親よりもはるかに多く、また男性の両親が女性の両親に質問されていることも多い。この点からも、年齢が帰国女性の結婚に対するプレッシャーとなっていることが分かる。

また、帰国女性本人の条件も男性選びに対してハードルとなっている。帰国男性は帰国者でない女性に対して条件が良くなるが、同じ帰国者という条件では女性の相手選びは制限される。

男女によってその両親も考えが異なる。任さんの息子はアメリカから帰国したばかりだが、パーティーで会った帰国女性たちに、「私は家のことを重んじる伝統的な女性を希望しています。二人で補いあうことができますから。留学帰りの女性は西洋的すぎる」と意見を述べた。また、帰国女性自身は条件が良いので、その両親は娘よりも条件の悪い男性は受け入れられないのである。

「留学帰り」の“コート”を脱げるか

上のような情況について、家庭結婚コンサルタントの鄭琳さんは、「社会の女性に対する要求は家庭の中のことに偏っていて、仕事ではない。このことから見ても帰国男性の選択は帰国女性には限定されない。帰国女性は各業界のエリートなど、帰国者でないふさわしい男性を選んでもよいだろう」と指摘している。

男女にかかわらず「留学帰り」という条件を捨てなければなるまい。結局結婚とは二人の縁やお互いの結婚観や将来の計画を考慮すべきなのだから、帰国者の男女ともに視界を広げてパートナーを探さなければならない。特に学位や仕事などの条件が高い帰国女性は、相手の条件を緩和し、相手探しの範囲を拡大することによって多くのチャンスに巡り合えるはずだ。どんどん優秀な人材が婚活に加わってきて、帰国者にとってぴったりの相手に出会うチャンスが多くなるのは、時間の問題である。