『社会意識白書』を発表…信頼度…結婚観
庶民の「きれいな空気」への要求が増大

1月7日、中国社会科学院社会学研究所と社会科学文献出版社は、北京において共同で『中国社会意識研究報告2012‐2013』(『社会意識白書』)を発表した。白書は、調査対象の半数近くの人々が生活の現状に満足を感じていると示している。しかし、庶民のニーズが表すのは、レベルと基準の大幅な拡大向上という新たな兆しだった。

庶民はさらなる拡大を要望

白書は、生活満足度の平均値は2011年よりも下がっている、と指摘する。

生活満足度を地域で見ると、西部の住民の得点が最高で、東部はその次、中部は最低だった。都市・町の住民の得点は農村の住民より低い。都市と農村の分布で見ると、都市・町の住民の平均生活満足度は2回の調査とも農村の住民より低かった。

異なるグループでも差異を示し、相対的には、女性の生活満足度は男性を上回っている。高齢者の生活満足度が最も高かった。

注目すべきは、庶民のニーズが、きれいな空気・汚染のない水・改善された住居条件・健康的な医療条件の保障・居住に適した自然環境など、基本的な生活に対する基準でさらに高くなったことだ。

相対的信頼度がさらに下降

白書は、「世間の感情の相対的基調はプラス方向だが、個人の健康や社会調和に負の感情の基調が存在することは楽観視できない」としている。絶えず発生する社会的事件が、世間の感情の忍耐と自制の度合いの下降を引き起こしやすくなる。白書の分析では、憎しみ、憤り、恨み、敵意などネガティブな感情と、不満感・不信感・社会格差に対する要求は密接な関係がある。

また、特に注意をひくのは、「社会的不信感の拡大・固定化は、グループ間の衝突や社会矛盾の増加を引き起こす」ということだ。中国社会の相対的な信頼度はますます下降している。調査では、庶民の政府機構・司法機関に対する信頼度は低く、広告・不動産・食品および薬品製造・旅行・飲食などの業界への信頼度は極めて低い、としている。

「郎財女貌」「門当戸対」

白書は、「郎才(財)女貌(男は才能または財産、女は容姿)」、「門当戸対(家柄のつりあい)」が、現在の若者の配偶者選びの基準として確立している、と指摘している。

事実、結婚・恋愛の出会い系サイトが花盛りになるにつれ、ネットでの配偶者選びは常套手段となっている。

女性は配偶者の社会的・経済的状況(収入、学歴、住宅の有無)に対してさらに厳しく、自分の外見に対しての評価をさらに高くして、相手を引き付けようとする。男性は女性の社会的地位をあまり重視しないが、自分より年齢が低い配偶者を選ぶ傾向にある。

相当な割合の男女が、やはり自分の収入・学歴・年齢・身長などにふさわしい配偶者を選ぶことを希望している。