児童の果物・野菜摂取不足は健康に影響

「中国疾病予防コントロールセンター栄養・食品安全所」が、北京市内のある小学校で調査を行ったところ、63.6%の児童が毎日果物を摂取し、60%の児童は朝食に野菜を摂っていないことがわかった。そして、この調査結果で児童の野菜・果物の摂取のしかたが単一的で甘い果物に偏っており、20%近い児童が、食事のとき1種類の野菜しか食べていないという問題が明らかになった。そのため専門家は、児童に「500グラムの野菜・果物で、健康づくりは小さな頃から」を合言葉に、正しい食習慣を身に付けさせるよう呼びかけている。様々な色の野菜・果物を組み合わせて、1日500グラム程度を摂取しようというものだ。身についた正しい食習慣は生涯変わらないのだ。 

 近日、中国衛生部・中華全国新聞工作者協会主催、中国栄養学会・ゼスプリ中国後援による「中国健康知識伝播激励計画-果物・野菜の栄養と食事バランス」の会合において、果物・野菜の栄養価値を広める活動を発表する。全国各地の10万人余りの小学生に、子どもの頃からの健康づくりを教え、小学生がその理念を家庭に持ち帰り、周囲の人々の生活習慣も変えていくことをねらいとしている。

 中国衛生部疾控局慢病処の呉良有処長は「現在中国では、国民のカロリーの過剰摂取、都市住民の油脂・肉類の消費量の増大、穀物食品の消費量の急激な減少、果物・野菜の摂取量と摂取品目の不足などの問題がある。こういった食習慣はさらに次の世代の成長にも影響を与える。良い食習慣を身に付けさせれば、子どもたちの健康増進にはかり知れない効果がある」と話す。

 中国疾病コントロールセンター栄養・食品安全所副所長で、中国学生栄養・健康促進会副会長兼秘書長の馬冠生氏は指摘する。「現在、児童の野菜・果物の摂取のしかたには摂取量の不足と摂取品目の単一化という二つの大きな問題点があります。こういった食生活のアンバランスは、肥満や栄養不良等を引き起こし、長引けば子どもの健康的成長を脅かします」。馬冠生氏は、小さい頃から健康的な食生活を身につけさせるよう、保護者に呼びかけている。子どもの頃身に付けた好みや食習慣は生涯変わらないからだ。“毎食野菜、毎日果物”の食生活のうえに、色の組み合わせることにも気を配るべきである。さらに、子どもの過度の間食や偏食をやめ、十分な栄養を摂ることで、カロリーを適切にし肥満のリスクが下がるのだ。

 専門家は保護者に助言する。「朝食は一日の最初の食事であり、栄養を摂取し健康を保ち学習効率を上げるために、特に大切です。栄養を考えた朝食とは、穀物、動物性食品、ミルク及び乳製品、野菜・果物の4種が揃った食事です。

子どもの食事バランスや食事と運動のバランス等を正しく指導すべきで、それによって彼らは生涯にわたる健康的な生活スタイルを身に付けることができるのです」

中国衛生部、児童の野菜・果物の摂取目標を発表

1.朝食には野菜・果物を多く摂ろう

 栄養を考慮した朝食によって、健康な一日をスタートさせ、学習効率も高くなり、頭がよく働く。合理的な朝食とは穀物、ミルク・豆乳類、玉子・赤身肉類、果物・野菜が揃った食事である。

 2.果物を持って学校へ

 授業の合い間に栄養補給を!果物は最高のおやつであり、栄養豊富でおいしく体にも良い。

 3.毎食、果物・野菜をしっかり摂ろう

 家での食事、外食とにかかわらず、毎日果物を、毎食野菜を摂ろう。果物2・野菜3を目標に、健康のために毎日こぶし二つ分の果物、こぶし三つ分の野菜を摂ろう。

 4.色とりどりの野菜・果物を摂ろう

 色の種類は多いほど良い。バランスのとれた栄養を摂ることができる。

 5.野菜・果物で健康に

 健康な心身は小さなことの積み重ねから。一つの小さな野菜や果物から健康な生活を始めよう!