50億円相当のカメラ密輸を摘発

カメラのレンズを検査する税関職員。(撮影=凌亜超)

 

高額カメラを密輸入

1 年近くに及ぶ捜査の結果、拱北税関密輸取り締まり警察は広州―マカオ直通車を利用した撮影機材密輸団の実態を掌握した。

拱北税関副税関長で密輸取締局局長の?啓明氏によると、2月20日、126名の密輸取り締まり警察官が16組のグループに分かれ、それぞれ広州、佛山、珠海などで一斉に密輸取り締まり捜査網を展開。

わずか5時間の間に19名の容疑者を捕らえ、現場では各種デジタルカメラ778台、ビデオカメラ5台、レンズ426個を押収した。その中には単価7万元(約90万円)のニコン600ミリオートフォーカス最高級レンズなども含まれており、押収品の総額は840万元(約1億円)に達した。その後、密輸団は徹底的に壊滅された。

密輸団は香港でカメラを分解し、部品をEMS(国際スピード)便を使い深?経由で国内に密輸し、撮影機材を車両に隠すなどの方法で国境を越え、マカオに発送していた。

事件に使われた大型観光バスや、マカオへのパン運送専門のトラックは、国内に入る時には空荷と申告し、密輸品を車両に隠して税関の目を逃れていたことが、捜査の結果明らかになった。

 昨年1月から今年2月15日までの1年余りで、その密輸団が密輸した各種カメラは6万204台、カメラ用レンズ1万3623個、フラッシュ483個、ビデオカメラ1025台、映写機348台、合計4億元(約50億円)に達した。

 

密輸品が市場をかく乱

 データによると、2011年、中国国内市場の高画素デジタルカメラに対する関心は第1四半期の30.6%から第4四半期には36.1%に上昇。ライカ、キャノン、ニコン、ソニーなどの輸入高画素デジタルカメラへの需要は急速に拡大した。

特に東日本大震災発生後、日本の高級撮影機材の価格は上昇し、中国国内外の差額は20%から30%に達した。密輸犯は暴利を得るため、危険を顧みず、不法に改造した密輸カメラを国内に持ち込み、中国国内の公正な競争環境をかく乱させ、正規品の販売市場を占拠した。

Canon EOS 7Dを例にとると、密輸品の価格は9300香港ドル(約9万7000円)、元手約7800元(約9万7000円)に費用を上乗せし、ネット上の淘宝サイトでその改造密輸品を8800元(約11万円)で販売し、1台当たりの不法利益は1000元(約1万2000円)に達した。

 さらに深刻なのは、消費者が密輸業者による改造カメラの粗悪品を購入する可能性があることだ。この事件では、帳簿上「RB」と表記されている改造カメラが9228台、10.6%を占め、カメラ市場を大きく混乱させ、正規の代理店や合法的な貿易商に打撃を与えている。