「天空チベット・タンカ絵師の郷」
中日合作ドキュメンタリーが好評博す

中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州壤塘(ザムタン)県の遊牧民出身の若者たちがチベット仏画・タンカを描く技術を学び、それを継承することを通して民族文化を発揚し、貧困を脱却して、豊かな生活を送るようになる姿を描くドキュメンタリー「天空チベット・タンカ絵師の郷」が最近、NHK BSプレミアムで放送され、好評を博した。


「天空チベット・タンカ絵師の郷」の宣伝動画(NHK BSプレミアム)

 

中日合同チームが5年かけて製作

同作品は、元NHKプロデューサーで東京藝術大学特任教授の井上隆史氏が制作統括を務め、中日合同チームが5年かけて製作した。井上監督は、きめ細やかで、奥深い視点から、チベット高原東端にあるザムタンの壤巴拉覚囊(チベット仏教の宗派)無形文化遺産伝承所で学ぶ遊牧民出身の若者数人を追跡取材した。

同所の創始者である嘉陽楽住仁波切さんの指導の下、若者たちが10年間努力を重ね、無形文化遺産「覚囊タンカ」の伝承人へと成長し、貧困を脱却し、故郷へ戻り、さらに高い人生の価値を求める姿を描いており、感動のドキュメンタリーに仕上がっている。

同作品を見たネットユーザーは、「環境や気候に負けず、逆境にもめげずに夢を抱き続けて頑張って成長する若者は本当にすごい。本当に力作だ」や「素晴らしいタンカや若いタンカ絵師に本当に魅了された」などの声を寄せ、次々に「いいね!」を押した。


四川省アバ・チベット族チャン族自治州ザムタン県の壤巴拉無形文化遺産伝承所で、タンカの絵画技術を教える嘉陽楽住仁波切さん

 

エピソードを世界に伝える

井上監督は取材に対して、「ザムタンはこれまでずっと中国の最貧困地区の一つだった。現地の一部の遊牧民は、タンカ文化を継承することで、奥深い地域文化を発揚している。また、現地の人々に仕事ができ、収入も得ることができるようになって、現地の発展が促進されている。非常に成功した例で、とても素晴らしい。このようなエピソードを世界に伝えるために、できる限りのことをしたい」と話した。

2010年、国家級無形文化遺産の伝承人・嘉陽楽住仁波切さんは、ザムタン県党委員会、県政府のサポートの下、壤巴拉無形文化遺産伝承所を立ち上げた。現在、タンカのほか、音楽や絵画、彫刻、医薬、陶芸、造紙などの文化伝承所も開設されている。