中日関係に関する習近平国家主席の8つの論断


北京人民大会堂で安倍晋三首相と会見する習近平主席

2019年11月25日、習近平国家主席は東京で開催された中日ハイレベル人的・文化交流協議メカニズムの初会合に祝賀の書簡を寄せた。習近平主席は、目下中日関係は良い方向へ改善が続いており、中日双方がこのメカニズムを共同でしっかりと利用し、人的・文化交流を推進し、人々の心が相通じるよう促し、新時代の要請に合った中日関係の構築と発展のために人的・文化的なサポートをもたらすことを希望すると強調した。

習近平主席は中日関係を非常に重視し、何度も中日関係についての重要な論述を行っている。近年、中日関係は正常な軌道へと戻り、積極的な発展の勢いを呈している。中日関係の発展に関して、習近平主席は8つの論断を打ち出してきた。

中日両国はますます多くの共同利益と共同の関心を有している 

現在の世界は百年来の大変革を迎えており、グローバルガバナンスシステムは深く再構築され、国際構造の変化が加速している。中日両国はますます多くの共同利益と共同の関心を有している。

われわれは新時代の要請に合った中日関係を構築し、中日関係が世界の平和を守り、共同発展を促進する重要なプラスの要素となるよう共同で力を注ぐべきだ。

——2019年6月27日、大阪で安倍晋三首相との会見時に強調

中日関係の長期的で健全かつ安定的な発展は両国人民の根本的利益に合致する 

中日は隣国であり、両国の利益は高度に融合している。世界の主要経済体・重要な影響を持つ国として、中日関係の長期的で健全かつ安定的な発展は、両国人民の根本的利益に合致し、当地域と国際社会が普遍的に期待するものでもある。

——2018年10月26日、釣魚台迎賓館で安倍晋三首相との会見時に指摘

平和、友好、協力は双方にとって唯一の正しい選択 

歴史が証明しているように、平和、友好、協力は双方にとって唯一の正しい選択であり、両国人民と国際社会が普遍的に期待するものでもある。われわれは両国の関係改善のプロセスを妨害する問題の根本的原因に対して深く考え、是正のために有効な措置を取るべきだ。

——2017年5月16日、釣魚台迎賓館で二階俊博自民党幹事長との会見時に強調

中日は共同で国際的責任を担うべきだ 

目下、国際情勢には深刻で複雑な変化が生じており、不安定・不確定な要素が増している。中日は世界の主要な経済体・地域の重要な国として、共同で責任を担い、世界および地域の平和と安定、発展と繁栄のために建設的な役割を発揮すべきだ。

——2018年9月12日、ウラジオストクで安倍晋三首相との会見時に指摘


中日第7回ハイレベル政治対話を開催(2019年12月6日、北京)

両国関係の政治的基礎に関わる重大な問題において、いかなる妥協もしてはならず、少しも後退してはならない 

政治的基礎をしっかりと維持することは中日関係の健全な発展の前提だ。国交正常化以降、中日双方は4つの政治文書と4つの原則的共通認識に相次いで合意し、歴史、台湾などの問題の適切な解決について原則を確立した。両国関係の政治的基礎に関わるこれらの重大な問題において、いかなる妥協もしてはならず、少しも後退してはならない。そうしてこそ、中日関係は軌道を外れず、スピードの鈍化もない。日本側が信義を重んじ、約束を守り、ルールにのっとって物事に対処するよう希望する。

——2017年7月8日、要請に応じてハンブルクで安倍晋三首相と会見した時に強調

ウィンウィンの協力は中日関係を前へ向かって発展させる原動力だ 

ウィンウィンの協力は中日関係を前へ向かって発展させる原動力だ。新たな情勢のもと、双方は二国間の実務協力の水準を高め、地域経済の一体化を積極的に推進し、「一帯一路」の枠組みの中での協力ができるだけ早く実現するよう推進すべきだ。

——2017年11月11日、ベトナム・ダナンで安倍晋三首相との会見時に指摘

中日の経済貿易実務協力の潜在力は巨大だ 

新たな情勢のもと、中日の発展関係は過去に比べてより有利な条件を迎えている。中日の経済貿易実務協力の潜在力は巨大だ。われわれは日本側が引き続き中国の改革開放のプロセスに参加し、中国の発展の新たなチャンスを分かち合うことを歓迎する。双方は充分に相補的に強みを発揮し、協力の幅と深さを開拓・発展させるべきだ。

——2018年11月30日、ブエノスアイレスにて安倍晋三首相と会見時に強調

両国の友好の基礎は民間にある 

中日は一衣帯水の隣国で、両国の友好の基礎は民間にあり、両国人民の友好の未来は青年世代に希望が託されている。中日両国の青年が交流・相互参考を強化し、相互理解を増進し、末永い友誼を発展させ、両国関係のより素晴らしい明日を切り開くために積極的な貢献を果たすことを希望する。

——2019年6月、「Panda杯」作文コンクール受賞者の日本人青年への返信の中で指摘