日本人はいったいどのぐらい走ることが好きなのか人気作家・村上春樹のエッセイ集「走ることについて語るときに僕の語ること」を読まなくても、4月8日に開業する成田空港「第3旅客ターミナル」に行く機会があればおのずとわかるだろう。ランニング好きの日本人は第3旅客ターミナルの通路に陸上競技場のような青いゴムチップの床に白線で仕切ったレーンの床面表示を取り入れているのだ。
日本のメディアによると、この陸上トラック式の床面表示は第3ターミナルの入り口から国際線の搭乗ゲートまでの約500メートルに及び、搭乗者が迷子にならないように、搭乗口まで誘導するのが目的だという。
成田国際空港LCC専用ターミナルビル供用準備室の仲田雄一マネージャーは、「遅刻してしまった旅客が搭乗口まで走るのに便利」と笑顔で冗談を語った。また、成田国際空港の職員は、「搭乗ロビーではやることがなく、たいくつしている人が大勢いる。この陸上トラック式レーンがあれば、走ることが好きな人がここで身体を動かすこともできる。冷たいイメージだった空港が親しみやすくなる」と説明した。
日本にはランニング文化が根付いている。どの日本人の周りにもランニング愛好者はかならず存在し、ランニングブームはすでに40年近くも続いている。現在、中国のおばさんは「広場舞」を踊り、日本のおばさんはランニングに夢中になっている。同じ年齢層でも、両国には異なる健康文化が生まれている。ちなみに日本のランニング愛好者の中では、現在20~40歳の女性が一番多い。
ランニングに夢中になる日本人の数が増えるにつれ、日本の学校では長距離走が最も普及するスポーツ競技となった。子供は幼稚園から持久走大会に参加し、小学校1、2年生から体育の授業で2000メートル走が始まる。
長距離走は味気ない競技ではあるが、優れた長距離走選手は日本の学校では絶対的な人気者だ。日本で有名な「箱根駅伝」は、こういった学校で培われた長距離走文化の結晶ともいえる。「箱根駅伝」と呼ばれる「東京箱根間往復大学駅伝競走」は、東京から箱根までの往復217.1キロをたすきリレーでつなぐ大会で、毎年正月三が日に2日間にわたって行われる。日本で有名な元マラソン選手の高橋尚子はかつて明かしたことによると、「箱根駅伝」のような大学対抗の長距離走大会は日本で毎年1600回以上行われているという。
毎日、皇居の外周を走るランニング愛好者は4000~5000人になるほか、東京マラソン大会を見たり、応援したりする人々は116万人以上にも達している。
日本人が走ることが好きな要因について、シンガポール華字紙「聯合早報」の日本人評論家・橋本隆則氏は、「あきらめずに目標に向けて走り続ける精神は、我々の精神だ」として、「耐えて、耐えて、耐えて、がんばって、がんばってさらにがんばる。これが長距離走競技の特徴であり、まさに日本人の特徴でもある」と語った。
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