「悪行を暴き、善行を宣揚する」
海外華人メディアが荷う中国人のイメージ

近年、中国人の陋習が中国メディアによって繰り返し暴かれ、海外メディアも進歩のない中国人に苛立っている。もちろん、中国人が良い行いをしたとなれば中国メディアは我先にと賛辞を惜しまない。こういった「悪行を暴き、善行を宣揚する」という批評と称賛はまさに、海外中国メディアが中国人のイメージアップに資する最良の方法である。


中国駐日大使館で行われた表彰式で感想を述べる厳俊さん。 

 

称賛

昨年、日本で2人の中国人が我が身を顧みず人命を救った壮挙が、現地社会と華字メディアで注目と称賛を集めた。

9月16日、9歳の男の子が大阪市内の川辺で遊んでいて、誤って落水した。ちょうど川辺をジョギング中だった中国人留学生の厳俊さんは、それをみるやいなや直ちに川へ飛び込んだ。最初は失敗したが、厳俊さんは周りの人が渡してくれたロープを腰に縛って、再び川に飛び込み、最終的に下流300mの所で男の子を救出した。厳俊さんの行いは日本中に感動を与え、11月13日、安倍晋三総理は官邸に厳俊さんを招き、感謝状を贈った。

「長年、日本社会には中国人に一定の偏見がありました。今回の出来事は中国人留学生と中国に対してプラスのイメージを与えました」と、本誌の蒋豊編集長は、厳俊さんの勇気ある行動は本当に有難かったと称賛する。

同様に、緊急を要する局面で、在日中国人の付鴻飛さんは身の危険も顧みることなく奮闘した。12月22日、1人の日本人男性が線路に転落し意識を失った。反対側のプラットフォームにいた付鴻飛さんはすぐに線路にとび下り、電車が駅に入って来る前に男性を救出。1分もしないうちに列車がブレーキ音を響かせながらやって来た。この時、彼はそっとその場を離れた。事後、関連部門は必死でこの心優しい人物を探した。今年1月、やっと現れた付鴻飛さんは、当然のことをしたまでで名乗る必要はないと言った。しかし、自分を探してくれている消防署に迷惑をかけたくなかったのと、日本人の中国人に対する印象を変えるために名乗り出たのだという。

 

導き

彭副教授は考察する。「華字メディアはその教育的機能を十分に生かし、社会の緩和剤・接着剤的役割を果たし、人びとが異なる民族のイデオロギー、価値基準、道徳律や宗教・政治・信仰への理解を深める助けとならなければならない。中国メディアは『文化の使者』たる役割を果たし、華人は人と共に善を成し、異民族と共に発展するのだという美徳と願いを示し、華人の包容力、責任感といった総体的イメージアップを図っていくべきである。そのための文化コミュニケーションプラットフォームの構築が、当面の華字メディアの重要な任務の1つであり、重要な使命でもある」。