「文化中国•四海同春」アジア芸術団が東京公演
華僑同胞が待望する中日関係の春

新年早々、東京は数十年ぶりの大雪となった。雪の舞う中、「文化中国•四海同春」アジア芸術団は東京に到着した。

 

寒中に春の呼び声

珍しい雪景色の東京に、「四海同春」芸術団が、華僑同胞に祖国から母の愛を運んできた。

「今回の公演を、多くの在日華僑華人が待ち望んでいました。今は中日関係が緊迫した複雑な時です。この困難なタイミングに芸術団が訪問されたことは、70万の在日華僑同胞にとって大きな慰めです」と、中国駐日本国大使館の呂小慶参事官は歓迎と感謝の言葉を述べた。

2月9日、北千住のシアター1010(足立区芸術劇場)内での鳴り止まない拍手が、華僑同胞の熱い思いを代弁していた。

「東京は昨日、数十年ぶりの大雪だったにもかかわらず、有り難いことに、今日この劇場内はほぼ満席です」、「祖国からこの時期に訪問してくださったことに温もりと感動を覚えます。偉大なる祖国の繁栄を慶び、中日関係が今の冷え切った状態から抜け出し、友好関係を回復できるよう望んでいます」と、全日本華僑華人連合会の顔安会長は興奮気味に語った。

 

拍手に民族の響き

ステージ上では素晴らしい演技が繰り広げられ、ステージ下では雷鳴のような拍手が鳴り響いた夜の東京公演であった。

芸術団の団長である?南大学の胡軍学長が挨拶で話したとおり、民族色や清新な大学生活を反映した公演であった。

「大極王子」の美称をもつ甘雷が演じた『大極』は、剛と柔を併せ持ち、世界華人武術大会で優勝した『?南刀魂』は、武術の魅力を遺憾なく披露した。また、全国大学生芸術公演で一等賞と優秀創作賞に輝いた、民族色豊かな瑤族の土風舞『舞火狗』は大いに華僑同胞の興味を引いた。

さらに、中央民族歌舞団のエルケンさんは日本語で『FRIEND』を、江蘇省演芸集団の国家一級歌手である張其萍さんは日本語と中国語で『涙そうそう』を歌い、満場の観衆との距離を一気に縮めた。

 

祖国の便りに心はぽかぽか

「素晴らしい! 本当に素晴らしい! 感動しました!」。元音楽教師の呉少煖さんと夫の杜子威さんは興奮しながら公演を鑑賞した。二人は日本生まれの日本育ちだが、二胡、琵琶、武術などの中国文化は大好きで馴染みもあった。それは劇場内の華僑同胞の共通点でもあった。

「人は一生のうちに多くの事を変えることができますが、永遠に変わらないものがあります。それは故郷と父母です。今日、祖国の親しい人たちが便りを届けてくれました。この便りには故郷の空気と温もりがあります」と顔安会長が語ったように、異郷の旅人と祖国の間の有形無形の絆が、まさに「四海同春」の公演に大きなエネルギーとして集結した。

「文化中国•四海同春」は中国文化を多様に表現し、世界各地の華僑同胞と各国の民衆の中国文化へのよりいっそうの理解を推進している。中日関係が敏感なこの時に、「四海同春」アジア芸術団が東京で行った華僑同胞への慰安公演は、彼らの心に温かな気持ちを注ぎ込んだ。それは、日本華僑華人連合会の李国夫副会長の言葉にも表れている。「この公演が祖国の便りを届けてくれて、私たちの心はぽかぽかです」。