「オタク」は社会文化になったか

ネットの普及や生活上のストレスが強まるにつれ、若者たちは自分の世界に引きこもりがちで、〝キューリー夫人(*居里夫人)〟や〝ピカソ(*閉家鎖)〟と呼ばれる若者が、我々の周辺にどんどん現れている。*いわゆる「引きこもり」を中国語の発音表記にひっかけている。

『日本新華僑報』は最新号で、「オタク文化」は日本人が発明したものだが、最近の日本の若者は家にこもり、国内にこもり、外へ出かけて新しい事物に触れようとしない、日本の親たちは心配している、と伝えた。

ある意味では、オタク文化は内向的な文化であり、閉鎖的な文化である。

実際この「オタク」という言葉は、1983年に有名な漫画家の中森明夫が使い出したと言われているが、当初は寝食を忘れるほどマンガに夢中になる人のことを指していた。

その後「オタク」は一日中家にいて、自分の世界に引きこもっている人を指すように変わっていった。すなわち、社会に関わらないで「家」に引きこもって暮らすライフスタイルの代名詞となった。

 1980年代、イギリスの多くの若者が「カウチポテト族」と呼ばれた。彼らは退社して家に帰るとすぐソファに寝そべってポテトチップを食べながらテレビを見るので、「ハウス族」とも呼ばれた。

BBCは、18歳から30歳までの若者の4割が「ハウスボーイとハウスガール」だと報じた。1990年代末になると、長期間家にいて正業に就かず、父母の脛をかじって生活する者たちを「ニ―ト族」と呼んだ。

アメリカでは「巣ごもり族」と言い、台湾では「コメ虫」と言い、中国では「脛かじり族」と呼ぶ。

 オタク文化は若者世代の暮らし方に影響を与えている。イギリスのトライアスロン協会が15歳前後の若者にアンケートを取った結果、33%の子どもが自転車を持たず、77%が1台以上のゲーム機械を持っていた。

『デイリー・ウォールストリート』の調査によれば、先進国の4、5歳の子どもで自分の靴ひもを結べる子は14%しかいないが、コンピュータゲームで遊べる子供は76%いると伝えている。

 しかし、オタク文化は大きな経済効果をもたらした。

アメリカでは、「オタク」の消費が徐々に高まり、『科南時代(Age of Conan)』や『激戦(Guild Wars)』などのネットゲームサイトも無数にあり、『社交網絡(ソーシャル・ネットワーク)』や『生活大爆炸(ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則)』などの「オタク」ドラマも視聴率が高い。

韓国や日本は「オタク」消費産業が急激に発展し、2006年の日本のアニメ・マンガ産業の年間売上は230兆円に達した。韓国では2009年、「オタク族」に最も歓迎されたネットゲーム産業の輸出額が15億ドルに達し、世界第2位、全文化産業の輸出額の半分を占めた。

「オタク」はすでに、個人のライフスタイルとして選択するものにとどまらず、世間の人々が注目する社会的文化になっている。誰もが自分の独立した空間を持ちたいと思うが、閉じ込もった生活は、社会とのかかわり、自活能力、仕事をする能力などを喪失させるものである。

ほどほどにしてほしいものだ。