中国大使館、佐藤仁氏を“来賓”に!
――佐藤仁社長が中国大使館を初訪問

数万人の尊い生命が失われた東日本大震災から8カ月余が経過した。当時、工場にいた20数名の中国人研修生を避難させ、自らは不幸にも津波にのまれ生命を失った佐藤充氏のことは、まだ記憶に新しい。佐藤水産株式会社(宮城県女川町)佐藤仁社長の弟・充氏(専務、55歳)の献身的な行動は、中日両国の国民に深い感銘を与えた。

 中国の温家宝総理は5月21日に被災地を訪問した際、「佐藤充氏の崇高な行為を高く評価する。まさに中国人に対する日本人の友好感情からなされた行為である」と謝意を表明した。

 10月2日、中国大使館の牛建国公使参事官(経済担当)は兄の佐藤仁社長の自宅で対面し、中国国民の深い謝意を示した後、今後は大使館の“来賓”として迎えることを伝えた。

11月11日午前、佐藤社長は初めて大使館を訪問し、牛公使の歓待を受けた。佐藤社長は「大震災で家屋はすべて失われました。弟も悲痛な思いでしょう。しかし、在日華僑・華人の団体・個人の皆さまから義援金を頂戴し、大変感謝しております」と語り、牛公使は「充氏の行動は中国全土を感動させました。中国国民は永遠に忘れません。我々は御社の再建に力を惜しみません」と述べた。

会見に同席した「協同組合アジア交流会」の宮下純二専務理事は「私は長期間、中国人研修生のお世話をして参りました。佐藤充氏の救助活動については感動を抑えられません。今後、さらに多くの日本企業が、中国人研修生の学習や仕事の面で貢献されることを希望しています」と記者に語った。

佐藤仁社長(右2番目)中国大使館に「来賓」として迎える

佐藤仁社長(左)の自宅をお見舞いする牛建国公使参事官(右)と宮下純二氏(中央)