日韓に「島」をめぐって“帰属問題”が勃発

8月2日、日本は2011年度の防衛白書で竹島(韓国名・独島=トクト)が固有の領土であると公表した。これは日韓の新しい外交問題を引きだし、双方の関係は急激に冷えている。

 次から次へと波が立つ

日本の白書は「我が国固有の領土の北方領土(北方四島)と竹島の領土問題はいまだ未解決のままである」と公表している。日本は2005年から7年間続けて竹島の領有権を主張している。

韓国政府はこれに強く反発し、外交通商部は大使館参事官に会って抗議するという慣例を破って、日本大使館の兼原信克公使に直接会見を求めた。国防部も日本大使館の木村洋武官に、「竹島の主権要求を放棄しないのなら、両国の将来の軍事関係は永遠に期待できないことを、日本政府に認識することを促す」と、厳しい口調で立場を明らかにした。

最近、日韓に島をめぐって紛争の波が立っている。8月1日、自民党議員の新藤義孝、稲田朋美、佐藤正久の3人は「韓国人の島に対する見方を知るため」と、争議の竹島に近い鬱陵(ウルルン)島の「視察」に向かった。しかし、韓国側は「国家の利益や公共の安全を害する恐れがある者の入国を拒否する権利がある」という理由で入国を禁止した。韓国は初めて外国の政治家の入国を禁止したことになる。

この一日前、韓国政府は右翼の学者、下条正雄拓殖大学教授の入国を禁止している。新藤議員らといっしょに鬱陵島に向かう予定であった。

 日韓の争いの影響は大きい

1960年代と1990年代には、竹島をめぐって日韓両国間でいくども問題が起きている。今年の6月、大韓航空が両国で争議になっている領土の上空をテスト飛行したことをきっかけに、再び争議が加熱し、一連の問題を引き起こしている。竹島の領土争議は、日韓関係のなかでもっとも敏感な問題の一つである。

今回の竹島をめぐる紛争は日韓関係に暗い影を落としている。韓国の民間団体は2日午後、駐韓日本大使館前で集会をおこない、日本の国旗を燃やして抗議した。「日本は永遠に韓国の敵だ」、「野心が膨張している日本人」、「韓国と日本は必ず戦争になる」などの言論が韓国のネット上に氾濫している。このほか、日韓両国の高官の相互訪問、北東アジア安全協力、自由貿易協定などにかなりの影響を及ぼしている。

今回の日韓の領土問題によって、もともと不安定な東南アジアの政局に緊張がました。日本と韓国の島をめぐる争議は孤立した問題ではなく、東南アジア、中国と日本、日本とロシア、日本と韓国の間にも領土紛争が存在している。日本と韓国間の争議は同様の島の問題を抱える周辺の国家にも影響を及ぼすかもしれないと、学識者は分析している。

 日韓争議の解決は厳しい状況にある

領土問題は簡単に「誰が正しくて誰が悪い」という問題ではなく、歴史が人々に残した挑戦である。

「連合国海洋法公約」に関する規定にもとづけば、竹島の帰属問題は日韓双方から400カイリに満たない海域内の経済区分の問題である。この小さな島には巨大な海洋資源と経済利益が隠されている。このことが日韓の領土問題の解決を難しくしている。

国際問題の専門家はこう指摘している。日本と韓国の島国という特性からいって、両者には領有権に対して寸土といえども手放さず、妥協しないという強い国土への意識がある。その上、双方には相互に境を接している大陸国家間のように長年にわたる国境紛争の経験や、理解し譲り合う精神が欠けている。

日韓の竹島をめぐる主権問題は短期間での解決は難しそうだ

8月1日午前、新藤義孝(前列右)ら3人の自民党国会議員が韓国のソウル金浦空港に到着した。