中国政府が初のテーマ型国防白書を発表

●武装力の多様な運用と5項目の基本政策、原則を初めて明確化

●中国が果たすべき国際的責任、義務を特に強調

●陸軍の18集団軍の番号を初めて開示

●陸、海、空軍と第二砲兵(戦略ミサイル部隊)の装備を系統的に紹介

●解放軍が護るべき海洋権益を全面的に明確化

●中国軍が護るべき中国の海外利益を初めて明確化

  

中国国務院新聞弁公室は4月16日、『中国の武装力の多様な運用』白書を発表した。中国国防部の報道官で新聞事務局副局長の楊宇軍大校(大佐)は「これは中国政府による1998年以来8冊目の国防白書で、初のテーマ型国防白書であり、今後、系統的に結びつく形で総合版とテーマ別の国防白書を交互に発表し、国内外に中国の国防と軍の建設状況についてより詳しく紹介していく」と述べた。

白書は序文、正文、結び、付録の4部構成で、全文約1万5000文字から成っており、中国語、英語、フランス語、ロシア語、ドイツ語、スペイン語、アラビア語、日本語の8種類で発表された。

現有の装備状況と集団軍の番号を公開

白書は近年の中国軍改革の全般的状況を簡潔明瞭に述べ、陸軍、海軍、空軍、第二砲兵(戦略ミサイル部隊)、人民武装警察部隊、民兵それぞれの職責任務と能力建設の状況を紹介。また、陸軍機動作戦部隊の兵員数と集団軍の番号を初めて開示し、海軍、空軍の兵員数と第二砲兵の別名を開示。総兵員数が約230万人の中国軍は現状では世界最多の兵員数を擁する軍隊だ。

世界平和と地域安定の維持

白書によると、人民解放軍が2002年以降、31の国との合意或いは協定に基づいて28回に及ぶ合同演習と34回の合同訓練を行った。国際緊急人道援助任務の執行は36回に及び、27の被災国に総額で12億5000万元(約198億4500万円)を超える救援物資を届けたと指摘している。

また、中国は上海協力機構(SCO)メンバーの国々と、合計9回に及ぶ相互多面的合同軍事演習を実施した。中国海軍は国際的義務を履行し、アデン湾、ソマリア海域で日常的な艦船護衛行動を展開し、多くの国々の護衛勢力との共同活動を通じて国際海上ルートの安全を護っている。2012年12月までに中国海軍の護衛艦隊は国連世界食糧計画(WFP)の船舶4隻と外国船舶2455隻の護衛活動を行い、その数は護衛を受けた船舶全体の49%を占めている。また外国船舶4隻を救助し、4隻を海賊の攻撃から解放し、20隻を海賊の追撃から解放した。