2023年の中国国内観光市場は好調なスタートを切り、季節を追ってさらに好調になった。冬には黒竜江省の哈爾浜(ハルビン)の人気が沸騰したことが、広く注目を集めた。中国観光研究院の戴斌院長は取材に、「哈爾浜のおかげで2024年の観光産業は好調なスタートを迎えた。例年のデータと比較すれば、観光市場の繁栄はまだ始まったばかりだと確信する」と述べた。
2019年の中国国内の観光客数は延べ60億600万人、海外からの観光客数は延べ約1億4500万人となり、観光総収入は6兆元(約124兆8000億円)を超えた。
戴院長は、「19年と23年のデータを比較すれば、23年の観光市場は好調なスタートを切り、そして季節を追ってさらに好調になったが、中国国内の観光客数と観光総消費額は新型コロナウイルス感染症発生前の80-90%しか回復しておらず、出入境旅行市場も半分以上しか回復しておらず、今後のポテンシャルは引き続き高い」と述べた。
戴院長は、「繁栄というのには2つの意味がある。つまり、市場の繁栄も、産業チェーンの供給の回復・イノベーションも始まったばかりということで、これからまだ長い道のりを歩まなければならない。観光業は今後の経済・社会の発展の中でより重要で積極的な役割を発揮するだろう」との見方を示した。
戴院長によると、観光客数は回復してきたが、観光業の繁栄を牽引する観光客層と旅行の理念がどちらも変化した。
過去1年間、旅行の中心としての95後(1995年から1999年生まれ)と00後(2000年代生まれ)が徐々に市場を牽引する存在になった。体験感や美的な要素を特定の都市を訪れる理由とする若者がますます増えているという。
かつての「物見遊山」型旅行または「定番の体験」型旅行と異なり、現在の若者は河南省洛陽で伝統衣装の漢服を着る旅や陝西省西安で時空を隔てて李白と詩を吟じ合う旅をより好むとみられる。
戴院長は「文化が観光業の発展を推進する新たな原動力になった。揚州の『二分名月憶揚州』(漢詩をテーマにした没入型ナイトツアー)、南京の『24時間書店』、成都の火鍋観光バスなど、中国の若者は自分たちの文化に関わるイベントに参加したり、文化を創造したりするのを楽しんでいる」との見方を示した。
戴院長は、「文化と観光が深く融合した商品は目下の観光市場における『強い通貨』であり、観光市場が繁栄を取り戻そうとすれば、サプライチェーンはよりしっかりとその後を追いかけなければならない。市場に変化が起きた時、この産業に関わる者はテクノロジー、文化、クリエイティブチームなどを上手に利用して変化に適応する必要がある」と注意を促した。
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